NY為替見通し=日銀決定会合への米系の反応は?PPI・ベージュブック・フィリー総裁講演も注目

 本日のNY時間は、日銀政策決定会合の結果及び黒田日銀総裁の会見について、米国勢がどのように反応するかがまずは注目される。ここ最近のドル円の売り、本邦国債売りは対外対内証券の結果を見ても分かるように、海外勢が中心となっていた。むしろ本邦勢はドルも国債も売り遅れ感が強かったことで、市場のトレンドを作ってきたのが米国を中心とした海外勢だったと言える。

 今回の日銀政策決定会合では、10年債利回りが日銀の目標レンジの上限0.5%を超えるなど、仕掛けがあまりにも急激だったことへ対応し、過度な動きに警鐘を鳴らした形だ。また、黒田日銀総裁は「来年度半ばにかけてインフレ率が2%を下回る」との見解を示したている。
 しかしながら、東京都区部の消費者物価指数(CPI)が40年ぶりの水準まで上昇し、昨日財務省が2026年度の10年債の想定金利を1.6%に引き上げたように、国内インフレの高進は避けて通ることは出来ないとの予想も依然として根強い。米国勢が政策決定会合後の円安地合いを絶好の円買いの水準とするのか、もしくはこれまでの円買いを縮小するのかが要注目となる。

 米国からのイベントでは12月の米卸売物価指数(PPI)が発表され、ベージュブックも公表されることに要注目。先週発表された12月のCPIは、市場がドル売り・円買いを仕掛けようとしていたことで、結果が予想通りだったのにもかかわらずドル円は弱含んだ。しかし、今回は市場の流れがほぼニュートラルなこともあり、PPIの結果にはドル買い・ドル売りとも素直に反応しやすくなりそうだ。また、ベージュブックの公表と前後してハーカー米フィラデルフィア連銀総裁の講演も予定されている。ハーカー氏は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)での投票権を有していることもあり、発言が注目される。

 なお、20日まで世界経済フォーラム(WEF):通称「ダボス会議」が行われている。連日、各国要人が大手通信社からのインタビューを受けていることで、予定されていない時間帯でも要人の発言が市場を動意づけるリスクには要警戒となる。なお、黒田日銀総裁はスイス時間20日11時(日本時間同日18時)に、世界経済についての討論会に出席する予定となっている。
 

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目途は、これまでの本日高値131.58円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目途は、昨日高値129.15円や日銀政策決定会合発表前の129.03円が支持帯。割り込めば本日安値128.10円。

(松井)
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