NY為替見通し=日銀会合の影響を依然として見極め、米指標にも要注目

 本日のNY為替市場でドル円は、昨日の日銀会合の影響を依然として見極めながら、材料としては12月米消費者信頼感指数や住宅指標が注目される。

 消費者信頼感指数の予想は101.0と、11月100.2から改善見込み。ここまで9月107.8から11月まで悪化傾向にあったものの、予想通りであれば、リセッション(景気後退)への警戒感がやや後退することになるか。なお、消費者信頼感指数の他にも、現況指数、期待指数、そして12月の雇用市場を見定める意味で「勤労市場格差」にも目を向けておいたほうが良いだろう。

 また住宅リセッションへの警戒感が高まりつつあるなか、11月米中古住宅販売件数(予想:前月比-5.4%/年率換算420万件)もチェックが必要だ。昨日の11月住宅着工件数は、前月比0.5%減の142万7000戸と予想比では上振れた。しかしながら、一戸建て住宅分は4.1%減少と、新型コロナ感染第1波に襲われた20年5月以来の低水準まで落ち込んだ。住宅市場の大半を占めると言われる一戸建てがさえないなか、中古への影響も懸念される。

 昨日のドル円は、日銀による実質的な利上げ決定を受けて130.58円まで暴落した。テクニカル的な視点では、10月21日の高値151.95円を頭とするヘッド・アンド・ショルダーを形成しつつあり、ネック・ラインは8月2日の安値130.41円と昨日の安値130.58円と想定される。今後は、ネック・ライン(130.41円-130.58円)が下値支持線となるのか、それとも下抜けて行くのかを見定めることになるだろう。

 ここからドル円の波乱要因としては、23日に発表される本邦11月消費者物価指数。4%台に乗せるのではないかとの警戒感があり、日本版のCPIショックに備えておきたい。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは昨日21時過ぎの戻り高値132.90円とし、超えると昨日の日銀総裁会見中につけた133.69円付近がポイント。

・想定レンジ下限
 ドル円の支持帯は前述した130.58円から130.41円。
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