ロンドン為替見通し=ユーロ、欧州金利への思惑で上下 ECB総裁講演に注目

 本日のロンドン為替市場でユーロは、欧州金利の先行きに対する思惑で上下しそうだ。注目は日本時間19時台に予定されているラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の講演だろう。

 昨日の欧州序盤、ビルロワドガロー仏中銀総裁が「ラガルド総裁の0.50%利上げガイダンスは依然として有効」との見解を示した。仏中銀総裁は「3月会合について賭けることは時期尚早」と、前日に関係筋の話として報じられた「3月0.25%利上げの可能性」をけん制している。

 市場では、脱ゼロコロナ政策で中国経済の回復期待が高まるなか、欧州景気に対する悲観的な見方が後退しつつある。そのため、ECBがインフレ抑制に力を入れやすくなっているとも言えるだろう。先月理事会後の定例記者会見でラガルド総裁は、23年の初めはインフレ率が再び加速する可能性に言及しており、本日の講演内容もタカ派寄りに傾くかもしれない。

 なお欧州午後には先月15日分のECB理事会の議事要旨が公表予定。メンバー内で利上げ幅に相違があったことは既に明らかにされているが、その違いの程度を確かめることになる。

 なお本日はノルゲバンク(ノルウェー中銀)とトルコ中銀が政策金利を発表する。それぞれ2.75%と9.00%で据え置きがコンセンサス。もっともノルウェーは引き締め、トルコは緩和の一旦停止であり状況は全く違う。それぞれ声明に注目だが、ノルゲバンクは今後のインフレ見通し、トルコ中銀は低調な景気や通貨リラの弱さに対する見方がポイントとなるか。

想定レンジ上限
・ユーロドルは昨日高値1.0887ドル、ノルウェー・クローネ(NOK)円は昨日高値13.34円、トルコリラ円が7.00円。

想定レンジ下限
・ユーロドルは10日安値1.0712ドル、NOK円は22年1月24日安値12.58円、リラ円は16日安値6.77円(その下は過去最安値6.17円)。


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。