ロンドン為替見通し=明日にECB理事会を控え、動きにくい状態でNY待ち

 ロンドンタイムは、発表予定の2月独卸売物価指数(WPI)や1月ユーロ圏鉱工業生産の内容を注視しつつも、明日16日に注目の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えており、同指標結果への反応は鈍りがちか。

 ECBは0.50%の利上げがほぼ確実視されていたが、米国の中堅銀行シリコンバレーバンク(SVB)や地方銀行シグネチャー・バンクの経営破綻で強まった金融システムへの懸念が、ECBの政策決定に与える影響を推し量る状態となっている。

 米政策金利の織り込みは、0.50%利上げから金利据え置きを織り込みかけたところを経て、現時点では0.25%利上げを見込む状態。ここ最近の見通しの振れのなかではどっちつかずのレベルともいえ、行方に不透明感がある。ECBの政策決定の行方に関する判断も難しくする。

 アジアタイム発表の2月中国鉱工業生産が予想を下回り、同小売売上高は予想通りとなったが、いずれも前回の発表値より改善したことは、中国に主要企業の進出が多い欧州の経済にとって好材料で、ユーロの支援となる。だが、基本的には明日のECB理事会を前に、ここからは動きにくい状態で、NY勢の動きを待つとみる。


想定レンジ上限
・ユーロドル:7-8日の下落幅の倍返し1.0863ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドル:日足一目均衡表・基準線1.0664ドル。

(関口)
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