NY為替見通し=まず米指標を確認、その後はECBや金融システムリスクに注目

 本日のNY為替市場では、まずは米国の経済指標を確認し、その後は欧州中央銀行(ECB)金融政策やラガルドECB総裁の会見を見極めることになる。

 21時30分の2月米住宅着工件数と建設許可件数は前月から増加見込み。しかしながら米国の住宅ローン金利が上昇していることもあり、ネガティブサプライズに警戒しておきたい。また同時に発表される3月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数も前回から改善予想だ。しかしながら、足もとでリスク回避の動きが続いているなか、昨日のように下振れた場合の反応には注意が必要だろう。

 22時15分に発表されるECB理事会の政策金利は、これまでラガルドECB総裁やタカ派のECB高官は0.50%の利上げを示唆してきた。しかしながら、昨日のスイス金融大手クレディ・スイスの株価暴落のように、米金融システムの動揺が欧州へ波及しつつあることには注意が必要だろう。そのため利上げ幅が0.25%に留まる可能性、あるいは据え置きの可能性も念頭に入れておきたい。

 その後のラガルドECB総裁の記者会見では、市場を落ち着かせるための発言が予想される。昨日進んだリスク回避の動きがどの程度まで後退するのか、欧州株や債券の動向を見定めることになる。

 なお、来週21-22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%の利上げと据え置き確率は6割対4割。今後も金融システムリスクへの警戒感の強弱次第で、割合が変わっていくだろう。米連邦準備理事会(FRB)は現在、金融安定を重視した据え置きと物価安定を重視した利上げの狭間に立たされている。0.25%の利上げを断行した場合、金融安定化措置「バンク・ターム・ファンディング・プログラム」との整合性がなくなることになりかねない。

 また、ブラックアウト期間中のため、FRB代弁者であるWSJ紙「FEDウォッチャー」ニック・ティミラオス記者のツイートや記事には引き続き警戒しておきたい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は一目・基準線の133.86円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は2月14日の安値131.52円。

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