NY為替見通し=ドル円、上値余地を探る値動き続くか

 本日のニューヨーク為替市場でドル円は、米金利の動向を見定めながら上値余地を探る値動きが続きそうだ。明日には、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を決定するうえで重要視する個人消費支出(PCE)デフレーターの1月分が発表予定。まだ24時間以上先の話ではあるが、レンジを抜けきれないようだと様子見ムードが広がるかもしれない。しかしながら、昨日は本邦インフレ指標は予想比で上振れし、加えて米経済データが予想より弱かったにもかかわらず、ドル円は150円さえ届かなかったことは下値の堅さを示しているのではないか。

 ドル円が150円台でNY市場を終えたのは昨日までで8日連続。その後半では、日通しレンジも150円台で収まっている。高値圏ではあるものの、14日RSI(相対力指数)は60%台と過熱感は見られない。狭い値動きでエネルギーが溜まっているとも言え、移動平均線の短中期線も上向いているところから、レンジをシフトするのであれば上サイドの可能性が高そうだ。

 気になるのは、投機筋のポジションが偏ってきたこと。先週末に商品先物取引委員会(CFTC)が発表した先物のポジション状況では、円のネットショートは12万枚台まで拡大している。昨年11月半ばに13万枚までネットショートが拡大して以来の水準であり、当時は151円台までドル高円安が進行していた。ただしその後、円ショート縮小とともにドル円も水準を下げていた。

 なお、本日は序盤に10-12月期米のGDP(予想:前期比年率3.3%)や個人消費(予想:同比2.7%)、コアPCE(予想2.0%)が発表予定。もっとも改定値であり、よほど予想から上下に振れない限り市場の反応は限定的だろう。ほか、NY昼過ぎに予定されている、アトランタ/ボストン/ニューヨークの連銀総裁の発言には注意しておきたい。

想定レンジ上限
・ドル円、13日高値150.89円を超えると昨年11月16日高値151.43円

想定レンジ下限
・ドル円、日足一目均衡表・転換線150.27円やその下22日安値150.02円


(小針)
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