NY為替見通し=ドル円、底堅い展開続くか 指標は2月ISM製造業景気指数

 本日のニューヨーク為替市場でドル円は底堅い展開が続くか。昨日のNY時間では米インフレ鈍化を確認し、くわえて複数の経済指標が弱い結果となり米長期金利が低下した。それにもかかわらずドル円は149円前半から150円台まで切り返している。ロンドンフィキシング付近でのドル買いと月末要因もあったようだが、下値の堅さを参加者に印象づけたのは確かだ。

 テクニカル指標では、中期的な方向性を示す21日移動平均線が149.80円台まで水準を切り上げてきた。実線も日足一目均衡表・転換線150.03円を上回って推移しており、すう勢の強さがうかがえる。相場の過熱感を示すRSI(相対力指数、14日間)も依然として60%台と、まだ上げ余地があることを示している。

 本日も複数の米経済指標があり、その中でも前回から上昇見込みの2月米ISM製造業景気指数(予想:49.5)に注目したい。見込み通りであれば、2022年10月以来の高水準となる。同時に発表されるISM雇用データも気にしておく必要があるだろう。前回は47.1と伸び悩んでいた。

 金融当局者からは、複数の連銀総裁や米連邦準備理事会(FRB)理事の講演が予定されている。昨日は当局者から、夏からの緩和や今年3回の利下げが言及された。CMEのFedWatchでは、「6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)から利下げ」に対する織り込み度がやや増えている。先行き金利の思惑に変化があれば、週末を控えて為替も神経質に上下しそうだ。

 なお、東京早朝に植田日銀総裁が物価安定目標の達成に対して慎重な姿勢を示したことが伝わった。ただし同総裁は、賃金動向を注視する姿勢は変えていない。大手企業を中心に賃上げが確実視されるなか、日銀が4月会合でマイナス金利を解除に踏み切るとの見方は根強い。ただしそうであっても日米金利差が一気に縮小するわけでもなく、ドル円の下値は限定的か。

想定レンジ上限
・ドル円、2月13日につけた年初来高値150.89円を超えると昨年11月16日高値151.43円。

想定レンジ下限
・ドル円、21日移動平均線149.83円。割り込むと昨日安値149.21円。


(小針)
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