ニューヨーク外国為替市場概況・6日 ドル円、続落

 6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は149.38円と前営業日NY終値(150.05円)と比べて67銭程度のドル安水準だった。2月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が14.0万人増と予想の15.0万人増を下回ったことが伝わると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが進行。2時過ぎに一時149.10円と2月12日以来の安値を付けた。
 なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米下院金融サービス委員会で「利下げにはインフレに関するさらなる確信が必要」との見解を示し、当面はデータを見極める従来通りの姿勢を強調した一方、「年内のいずれかの時点で利下げが適切になる可能性が高い」との考えを示した。また、「今年の利下げ開始時期やペースは景気次第」「慎重かつ思慮深く、利下げの決定を下すべき」などと話した。市場では「これまでに示した内容に沿ったもの」との受け止めが聞かれ、その後はドル売りがじりじりと進んだ。

 ユーロドルは上昇。終値は1.0899ドルと前営業日NY終値(1.0857ドル)と比べて0.0042ドル程度のユーロ高水準だった。米雇用指標の下振れをきっかけに米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.0768%前後と約1カ月ぶりの低水準を付けると全般ドル売りが先行。パウエルFRB議長の議会証言では早期利下げに慎重な姿勢が示されたものの、「従来通りの見解が示された」との受け止めから、米金利低下とドル売りが進んだ。2時過ぎには一時1.0915ドルと1月24日以来の高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.20と2月2日以来の低水準を付けた。

 ユーロ円は続落したものの、下値は堅かった。終値は162.79円と前営業日NY終値(162.91円)と比べて12銭程度のユーロ安水準。日銀が金融政策の修正に早期に動くとの観測が円買いを促し、日本時間夕刻に一時162.22円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが進んだ。米国株相場や日経平均先物の上昇に伴う円売り・ユーロ買いが出て、0時30分過ぎに一時162.96円と日通し高値を更新した。

 カナダドルは全面高。カナダ銀行(BOC)はこの日、市場予想通り政策金利を5.00%に据え置くことを決めたと発表。マックレムBOC総裁が記者会見の冒頭に読み上げる声明原稿で「本日の決定は現在の政策金利が引き続き適切であるという理事会の評価を反映したもの。利下げを検討するのは時期尚早だ」と述べたことがカナダドル買いを誘った。対米ドルでは一時1.3499カナダドル、対ユーロでは1.4722カナダドル、対円では110.63円まで上昇した。WTI原油先物価格の上昇を背景に産油国通貨とされるカナダドルに買いが集まった面もあった。

本日の参考レンジ
ドル円:149.10円 - 150.08円
ユーロドル:1.0842ドル - 1.0915ドル
ユーロ円:162.22円 - 162.96円

(中村)
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