NYマーケットダイジェスト・19日 株高・金利低下・円安

(19日終値)
ドル・円相場:1ドル=150.86円(前営業日比△1.71円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.92円(△1.75円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0866ドル(▲0.0006ドル)
ダウ工業株30種平均:39110.76ドル(△320.33ドル)
ナスダック総合株価指数:16166.79(△63.34)
10年物米国債利回り:4.29%(▲0.03%)
WTI原油先物4月限:1バレル=83.47ドル(△0.75ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2159.7ドル(▲4.6ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>    <前回発表値>
2月米住宅着工件数         152.1万件    137.4万件・改
   建設許可件数         151.8万件    148.9万件・改
1月対米証券投資動向
短期債を含む            ▲88億ドル   1374億ドル・改
短期債を除く            361億ドル    1586億ドル・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は大幅に6日続伸。日銀は今日まで開いた金融政策決定会合でマイナス金利の解除を決めたものの、「当面は緩和的な金融環境が続く」と強調。植田和男総裁も会見で「マイナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持する」と述べたことから、NY市場に入っても円を売る動きが続いた。レジスタンスとして意識されていた2月13日の高値150.89円を上抜けると一時150.96円と昨年11月16日以来の高値を更新した。
 ただ、節目の151.00円手前では伸び悩んだ。明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に利食い売りなどが出たようだ。なお、市場では「米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始時期を巡り、パウエルFRB議長の会見や政策金利見通し(ドット・チャート)に注目が集まっている」との声が聞かれた。

・ユーロ円は大幅反発。2時30分過ぎに一時164.00円と昨年11月16日以来の高値を更新した。日銀が当面緩和的な環境を続ける方針を示したことで円売りが出やすい地合いとなった。

・ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時192.17円と2015年8月以来の高値を付けたほか、メキシコペソ円はWTI原油先物相場の上昇なども相場の支援材料となり、8.98円と2008年10月以来の高値を更新した。また、カナダドル円は2月カナダ消費者物価指数(CPI)の下振れを受けて110.54円付近まで下押ししたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、2時過ぎに111.33円と2月27日以来の高値を付けた。

・ユーロドルは小幅ながら続落。欧州時間に一時1.0835ドルまで売られた影響が残ったものの、NY市場に限れば下値の堅さが目立った。米金利の先高観は根強いものの、この日は米長期金利が低下したためユーロ買い・ドル売りが入った。2時過ぎには1.0868ドル付近まで下げ渋った。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。2月米住宅着工/建設許可件数が予想を上回ったことを受け、消費関連株に買いが入った。構成銘柄ではないものの、下落して始まったエヌビディアが上昇に転じると、他の半導体関連やハイテク関連の銘柄にも買いが波及し相場を下支えした。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸。下落して始まったものの、エヌビディアの持ち直しなどを受けて上げに転じた。

・米国債券相場で長期ゾーンは7日ぶりに反発。前日までに6日続落した反動で買い戻しが入ったほか、明日のFOMC結果公表を前にポジション調整目的の買いが入った。20年債入札が「好調」と受け止められたことも相場を下支えした。

・原油先物相場は続伸し、昨年10月下旬以来の高値を更新した。ウクライナによるロシア製油所への攻撃を背景にロシアが原油減産を強いられるとの思惑から買いが優勢となった。

・金先物相場は反落。FOMCの結果公表を明日に控えて持ち高調整の売りが相場を主導した。

(中村)
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