NYマーケットダイジェスト・21日 株最高値・欧州通貨安・ドル高

(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.62円(前営業日比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.66円(▲0.55円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0860ドル(▲0.0062ドル)
ダウ工業株30種平均:39781.37ドル(△269.24ドル)
ナスダック総合株価指数:16401.84(△32.43)
10年物米国債利回り:4.27%(横ばい)
WTI原油先物5月限:1バレル=81.07ドル(▲0.20ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2184.7ドル(△23.7ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>    <前回発表値>
3月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
                   3.2         5.2
前週分の米新規失業保険申請件数   21.0万件     21.2万件・改
2月米景気先行指標総合指数(前月比) 0.1%       ▲0.4%
2月米中古住宅販売件数
前月比                9.5%       3.1%
年率換算件数            438万件      400万件

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は8日続伸。本日発表された3月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数、2月米中古住宅販売件数、2月米景気先行指標総合指数が予想より強い内容となったことを受けて全般ドル買いが先行。対欧州通貨中心にドル高が進んだ影響も受けて、2時前に一時151.75円まで値を上げた。前日に大幅低下した米2年債利回りが上昇したことも相場の支援材料。
 ただ、前日に付けた年初来高値151.82円や昨年11月13日の高値151.91円、2022年10月21日の高値151.95円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。

・ポンドドルは一時1.2651ドルと4日以来の安値を付けた。英中銀(BOE)はこの日、市場予想通り政策金利を据え置き、「英CPI伸び率は4-6月に目標の2%を一時的に下回る」との見通しを示した。また、ベイリーBOE総裁は「市場の利下げ見通しは妥当」「行動する前にインフレ率が2%になる必要はない」と述べ、今後の利下げの可能性を示唆した。市場ではBOEが利下げに向かっているとの観測が広がり、ポンド売りを促した。
 ドルスイスフランは一時0.8994スイスフランと昨年11月14日以来約4カ月ぶりの高値を更新した。スイス国立銀行(中央銀行、SNB)の予想外の利下げを受けたスイスフラン売りがNY市場に入っても続いた。

・ユーロドルは反落。米金利上昇や米経済指標の上振れをきっかけに全般ドル買いが優勢になると、1時前に一時1.0856ドルと日通し安値を付けた。BOEやSNBの金融政策公表後に、欧州中央銀行(ECB)の利下げ開始時期が近づいているとの見方が一段と強まったことも相場の重し。

・ユーロ円は3日ぶりに反落。欧州序盤に一時165.34円まで上げたものの、前日に付けた08年8月以来の高値165.35円がレジスタンスとして意識されると失速した。ECBの利下げ開始時期が近づいているとの見方も相場の重しとなり、1時前に164.57円付近まで下押しした。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、連日で史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、年内3回の利下げ予想が据え置かれた。米利下げ期待を背景にこの日も買いが続いた。米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの観測も相場を下支えした。半面、米司法省が反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴したアップルが4%超急落し、相場の上値を抑えた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も4日続伸し、史上最高値で取引を終えた。

・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。米利下げ期待を背景に買いが入った半面、予想を上回る米経済指標を受けて売りが出たため、相場はもみ合いの展開となった。

・原油先物相場は下落。中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスクを背景とした買いは一服し、持ち高調整の売りが相場を主導した。

・金先物相場は続伸。FOMCの金利見通しで年内3回の利下げ予想が据え置かれたことで6月利下げ観測が高まり、金利を生まない金には買いが入った。

(中村)
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