週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、中銀がタカ派スタンス修正
◆豪ドル、RBAが追加利上げ文言削除でタカ派スタンスを修正
◆NZ、リセッション入りで利下げ前倒し観測が高まる可能性
◆ZAR、SARBの金融政策に注目
予想レンジ
豪ドル円 97.50-101.50円
南ア・ランド円 7.85-8.30円
3月25日週の展望
豪ドルは神経質な展開となりそうだ。18-19日に開催された豪準備銀行(RBA)理事会では予想通り政策金利の据え置きが決定されたが、声明文では前回までの「追加利上げの可能性を排除できない」との文言が削除された。タカ派寄りだった従来のスタンスを修正したことは、今後豪ドル相場の重しとして意識されるだろう。なお、来週は27日に2月消費者物価指数(CPI)の公表を控えており、相場への影響に注意する必要がある。
一方、日銀は18-19日の金融政策決定会合で市場予想通りにマイナス金利を解除。イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の撤廃も決めた。同時に緩和的な金融政策を継続する方針も改めて示したが、その後に「日銀は年内にも追加利上げを実施する」との観測記事が伝わっており、日銀の金融政策を巡る思惑が落ち着くまではしばらく時間が必要となりそうだ。また、ドル円相場が直近高値水準に迫っていることで当局からの円安けん制発言も増え始めており、豪ドル円も含めたクロス円は荒い値動きに引き続き警戒しておきたい。
これに対して、19-20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利水準の予測分布図(ドットチャート)の中央値で、2024年に0.25%利下げを3回という従来予想が据え置かれた一方、25年以降については利下げ予想回数が減少した。為替市場では年内の利下げ予想回数が減少するとの見方を基に思惑的なドル買いを進めていたこともあり、FOMC後は対豪ドルでもドル売りが進行。今後はFOMCに対する反応が一巡した後に改めて相場の方向性を探る必要があるだろう。
豪州の隣国ニュージーランド(NZ)では今週公表された10-12月期国内総生産(GDP)が2四半期連続でのマイナス成長となり、テクニカル・リセッション(景気後退)に陥ったことが明らかになった。景気減速懸念の高まりによってNZ準備銀行(RBNZ)の利下げ前倒し観測が強まることも予想され、NZドル相場の売り材料として意識されそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は荒い展開に注意が必要となるだろう。来週は27日に南アフリカ準備銀行(SARB)の政策金利公表が控えている。今週発表された2月CPIは予想を上回る結果となり、「SARBの利下げ開始時期はますます遠のいた」との見方が強まった。FOMCに先んじて利下げに踏み切ることでZAR相場の下落を招くリスクは後退したものの、インフレの高止まり自体は南ア経済にとってネガティブ要因。ZAR相場の先行き不透明感が根強いなか、まずはSARBの金融政策を受けた相場の反応を見極めたい。
3月18日週の回顧
豪ドルは対ドルで下値の堅い動き、対円では堅調に推移した。FOMCを前に思惑的な豪ドル売り・ドル買いが先行したものの、FOMC後は一転豪ドル買い・ドル売りが優勢に。ただ、対円ではドル円の上昇につれた買いが強まり、2014年以来となる100円の大台を回復した。
ZARも対ドルではFOMCを挟んで売り先行後に買い戻し。対円では上値を伸ばす展開となり、8円台に乗せた。(了)
◆NZ、リセッション入りで利下げ前倒し観測が高まる可能性
◆ZAR、SARBの金融政策に注目
予想レンジ
豪ドル円 97.50-101.50円
南ア・ランド円 7.85-8.30円
3月25日週の展望
豪ドルは神経質な展開となりそうだ。18-19日に開催された豪準備銀行(RBA)理事会では予想通り政策金利の据え置きが決定されたが、声明文では前回までの「追加利上げの可能性を排除できない」との文言が削除された。タカ派寄りだった従来のスタンスを修正したことは、今後豪ドル相場の重しとして意識されるだろう。なお、来週は27日に2月消費者物価指数(CPI)の公表を控えており、相場への影響に注意する必要がある。
一方、日銀は18-19日の金融政策決定会合で市場予想通りにマイナス金利を解除。イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の撤廃も決めた。同時に緩和的な金融政策を継続する方針も改めて示したが、その後に「日銀は年内にも追加利上げを実施する」との観測記事が伝わっており、日銀の金融政策を巡る思惑が落ち着くまではしばらく時間が必要となりそうだ。また、ドル円相場が直近高値水準に迫っていることで当局からの円安けん制発言も増え始めており、豪ドル円も含めたクロス円は荒い値動きに引き続き警戒しておきたい。
これに対して、19-20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利水準の予測分布図(ドットチャート)の中央値で、2024年に0.25%利下げを3回という従来予想が据え置かれた一方、25年以降については利下げ予想回数が減少した。為替市場では年内の利下げ予想回数が減少するとの見方を基に思惑的なドル買いを進めていたこともあり、FOMC後は対豪ドルでもドル売りが進行。今後はFOMCに対する反応が一巡した後に改めて相場の方向性を探る必要があるだろう。
豪州の隣国ニュージーランド(NZ)では今週公表された10-12月期国内総生産(GDP)が2四半期連続でのマイナス成長となり、テクニカル・リセッション(景気後退)に陥ったことが明らかになった。景気減速懸念の高まりによってNZ準備銀行(RBNZ)の利下げ前倒し観測が強まることも予想され、NZドル相場の売り材料として意識されそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は荒い展開に注意が必要となるだろう。来週は27日に南アフリカ準備銀行(SARB)の政策金利公表が控えている。今週発表された2月CPIは予想を上回る結果となり、「SARBの利下げ開始時期はますます遠のいた」との見方が強まった。FOMCに先んじて利下げに踏み切ることでZAR相場の下落を招くリスクは後退したものの、インフレの高止まり自体は南ア経済にとってネガティブ要因。ZAR相場の先行き不透明感が根強いなか、まずはSARBの金融政策を受けた相場の反応を見極めたい。
3月18日週の回顧
豪ドルは対ドルで下値の堅い動き、対円では堅調に推移した。FOMCを前に思惑的な豪ドル売り・ドル買いが先行したものの、FOMC後は一転豪ドル買い・ドル売りが優勢に。ただ、対円ではドル円の上昇につれた買いが強まり、2014年以来となる100円の大台を回復した。
ZARも対ドルではFOMCを挟んで売り先行後に買い戻し。対円では上値を伸ばす展開となり、8円台に乗せた。(了)