週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、中銀の金融政策に注目

◆豪ドル、RBAの金融政策に注目
◆豪ドル、会合後のRBA総裁会見にも注意
◆ZAR、FOMC後のドル買いでレンジブレイクを見極め

予想レンジ
豪ドル円 93.00-98.00円
南ア・ランド円 7.60-8.00円

2月5日週の展望
 豪ドルは伸び悩む展開となりそうだ。来週は6日に公表される豪準備銀行(RBA)の金融政策が注目される。RBAは今年から金融政策決定会合のスケジュールを見直し、昨年までの1日開催から2日間の日程に変更。今回は5-6日の日程で開催される。また、政策決定会合の開催数を昨年までの11回から8回へと減らし、金融政策発表の1時間後に総裁の記者会見を行うことになった。声明文のほかにブロックRBA総裁の会見にも注意する必要があるだろう。

 注目の政策金利は4.35%で据え置かれる見込みとなっており、声明文や総裁会見から今後の金融政策のヒントを探りたい。今月発表された11月、12月および10-12月期の豪消費者物価指数(CPI)はいずれも市場予想を下回る結果となり、インフレの鈍化が確認された。前回(昨年12月5日開催)の声明文では「インフレ率を妥当な期間内に目標に戻すため追加引き締めが必要かは、引き続き経済データとリスク評価の進展次第」と追加引き締めの可能性に言及していたが、今回の声明文などで追加引き締めに対する姿勢が後退すれば、豪金利の先安観から豪ドルの重しになるだろう。

 また、今年からRBA会合後の金曜日に公表されていた四半期金融政策報告が、RBAの金融政策と同時発表に前倒しされており、こちらにも注目する必要がある。その他では5日に12月貿易収支が公表予定となっている。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な展開が予想される。来週は南アフリカから特段のイベントや経済指標などが予定されておらず、基本的にはドル相場などの外部要因に左右されるだろう。今週に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では早期の利下げに慎重な見方が示されたため、以降の相場は全般にややドル高方向で推移しており、対ZARでもドル買いが進まれるか見極めたい。昨年後半からZARは対ドルで方向感を欠いたレンジ内の推移が続いているが、今回の動きがレンジブレイクのきっかけとなる可能性もある。

1月29日週の回顧
 豪ドルは弱含み。週明けからしばらくは方向感の乏しい動きとなっていたが、1月31日に発表された豪CPIが市場予想を下回ると豪ドル売りで反応。同日のFOMC前後は上下に振れる場面もあったが、米金融政策に対する反応が一巡すると、再び豪州のインフレ鈍化を背景にした売りが進んだ。豪ドル円は95円台まで下落し、昨年12月19日以来の安値をつけた。

 ZARは月末にかけてドル売りが進んだ影響から底堅く推移していたが、FOMC後はドルの買い戻しに伴って伸び悩み。ZAR円は方向感を欠いた動きとなり、7.8円台を中心としたレンジ内推移に終始した。(了)
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