週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、賃金指数上昇で底堅い
◆豪ドル、賃金指数の上昇で対ユーロ、対円では底堅さを維持
◆NZドル、28日のRBNZ会合に注目
◆ZAR、雇用統計悪化も多国籍企業への増税計画が支えに
予想レンジ
豪ドル円 97.00-101.00円
南ア・ランド円 7.75-8.15円
2月26日週の展望
豪ドルは、底堅い動きとなりそうだ。10-12月の豪賃金指数は前年比で市場予想を上回ったほか、7-9月期の4.0%より高い4.2%となった。昨年は上半期が3%半ばだったが、徐々に賃金の上げ幅が広がっている。6日に発表された豪準備銀行(RBA)の四半期金融政策報告では、「労働需要と賃金への下押し圧力がさらに高まり、予想よりも早いインフレ目標への復帰が見込まれる」と公表していたが、政策報告通りの賃金の下押しとはならず、RBAの更なる利上げ予想が台頭。豪ドルの支えになりそうだ。
もっとも、先週発表された米国の1月インフレ指標(CPI、PPI、ミシガン大学インフレ期待)が軒並み予想を上振れたことを考えると、対ドルで豪ドルの動きは鈍いだろう。一方で、欧州中央銀行(ECB)は4月の利下げ期待があることや、日銀は金融正常化の遅れが予想されることで、対ユーロと対円での底堅さとなるか注目している。
来週の豪州からの経済指標では、28日に1月のCPI、29日に小売売上高が発表予定。これまでは、毎月第一火曜日にRBA理事会が開かれていたが、今年からは理事会の開催回数が減少し、3月は第3火曜日に当たる19日に理事会が開催される。よって、来週の経済指標だけではRBAの政策金利等の方向性を探るのは難しそうだ。
また、NZでは、28日にNZ準備銀行(RBNZ)が金融政策委員会(MPC)を開き、政策金利と声明文を発表する。今月上旬に発表された雇用統計が改善されたことを受けて、一部金融機関は更なる利上げ予想を立てていることもあり、通常以上に注目度が高い。
南アフリカ・ランド(ZAR)はもみ合いとなりそうだ。今週発表された1月のCPIは市場予想を下回ったが、前回値よりも上昇し5.3%となった。内訳をみると、食品のインフレ率が予想よりも低下幅が限られたことはネガティブ要因となっている。国民総支出の2割以上を占める食品インフレ率が低下しないのは、5月の総選挙で与党アフリカ民族会議(ANC)にとっては痛手となる。また、10-12月期失業率の悪化もZARの重しになりそうだ。もっとも、今週発表された財政計画では、他国籍企業へ最低法人税を15%かけることなどで、150億ランドの増税を見込んでいる。財政健全化への期待感はZARの支えになりそうだ。なお、来週は南アからは29日に1月の卸売物価指数(PPI)、貿易収支、財政収支などが発表される。
2月19日週の回顧
豪ドルは底堅い動きとなった。対円では2014年12月以来となる98.68円まで上値を広げた。中国が最優遇貸出金利(LPR)5年物を市場予想以上に引き下げたことで、中国株が堅調な動きを見せ、リスク選好の動きに敏感な豪ドルの支えとなった。ZARは7.99円まで上昇し、年初来高値を更新した。南アのCPIと失業率は芳しくなかったが、財政計画で増税案を発表したほか、金・外貨準備口座を国家予算(財政赤字解消)に利用するとの決定がZAR買いを促した模様。(了)
◆NZドル、28日のRBNZ会合に注目
◆ZAR、雇用統計悪化も多国籍企業への増税計画が支えに
予想レンジ
豪ドル円 97.00-101.00円
南ア・ランド円 7.75-8.15円
2月26日週の展望
豪ドルは、底堅い動きとなりそうだ。10-12月の豪賃金指数は前年比で市場予想を上回ったほか、7-9月期の4.0%より高い4.2%となった。昨年は上半期が3%半ばだったが、徐々に賃金の上げ幅が広がっている。6日に発表された豪準備銀行(RBA)の四半期金融政策報告では、「労働需要と賃金への下押し圧力がさらに高まり、予想よりも早いインフレ目標への復帰が見込まれる」と公表していたが、政策報告通りの賃金の下押しとはならず、RBAの更なる利上げ予想が台頭。豪ドルの支えになりそうだ。
もっとも、先週発表された米国の1月インフレ指標(CPI、PPI、ミシガン大学インフレ期待)が軒並み予想を上振れたことを考えると、対ドルで豪ドルの動きは鈍いだろう。一方で、欧州中央銀行(ECB)は4月の利下げ期待があることや、日銀は金融正常化の遅れが予想されることで、対ユーロと対円での底堅さとなるか注目している。
来週の豪州からの経済指標では、28日に1月のCPI、29日に小売売上高が発表予定。これまでは、毎月第一火曜日にRBA理事会が開かれていたが、今年からは理事会の開催回数が減少し、3月は第3火曜日に当たる19日に理事会が開催される。よって、来週の経済指標だけではRBAの政策金利等の方向性を探るのは難しそうだ。
また、NZでは、28日にNZ準備銀行(RBNZ)が金融政策委員会(MPC)を開き、政策金利と声明文を発表する。今月上旬に発表された雇用統計が改善されたことを受けて、一部金融機関は更なる利上げ予想を立てていることもあり、通常以上に注目度が高い。
南アフリカ・ランド(ZAR)はもみ合いとなりそうだ。今週発表された1月のCPIは市場予想を下回ったが、前回値よりも上昇し5.3%となった。内訳をみると、食品のインフレ率が予想よりも低下幅が限られたことはネガティブ要因となっている。国民総支出の2割以上を占める食品インフレ率が低下しないのは、5月の総選挙で与党アフリカ民族会議(ANC)にとっては痛手となる。また、10-12月期失業率の悪化もZARの重しになりそうだ。もっとも、今週発表された財政計画では、他国籍企業へ最低法人税を15%かけることなどで、150億ランドの増税を見込んでいる。財政健全化への期待感はZARの支えになりそうだ。なお、来週は南アからは29日に1月の卸売物価指数(PPI)、貿易収支、財政収支などが発表される。
2月19日週の回顧
豪ドルは底堅い動きとなった。対円では2014年12月以来となる98.68円まで上値を広げた。中国が最優遇貸出金利(LPR)5年物を市場予想以上に引き下げたことで、中国株が堅調な動きを見せ、リスク選好の動きに敏感な豪ドルの支えとなった。ZARは7.99円まで上昇し、年初来高値を更新した。南アのCPIと失業率は芳しくなかったが、財政計画で増税案を発表したほか、金・外貨準備口座を国家予算(財政赤字解消)に利用するとの決定がZAR買いを促した模様。(了)