週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、賃金指数に注目
◆豪ドル、10-12月期賃金指数に注目
◆NZドル、28日のRBNZ・MPCを前に神経質
◆ZAR、失業率・CPI・予算案発表などイベント多数
予想レンジ
豪ドル円 95.00-99.50円
南ア・ランド円 7.60-8.10円
2月19日週の展望
豪ドルは、対ドルでは上値は限定的だろうが、対円や対欧州通貨では下値が限られそうだ。今週発表された米国の1月消費者物価指数(CPI)の結果を受けて米金利が急騰。米国では、次の重要インフレ指標として今月末の1月個人消費支出(PCE)の発表を待たなければならず、来週は大きくドルを売り込む材料に欠ける。豪ドル/ドルの上値は重く推移するとみている。一方で、欧州中央銀行(ECB)は4月会合での利下げ予想が高まっているほか、日銀の早期の金融正常化も期待できないことから、対ユーロや対円での堅調地合いは変わらないだろう。
来週は、20日に豪準備銀行(RBA)理事会(5‐6日開催)の議事要旨が公表予定。今年に入りRBAは理事会後に総裁が会見し、質疑応答も行われている。これまで以上に市場に理事会の内容を詳らかに説明していることもあり、議事要旨がサプライズとなることは少なくなりそうだ。一方、経済指標では21日の10-12月期賃金指数に注目。6日に発表されたRBA四半期金融政策報告では、「賃金と労働需要への下押し圧力がさらに高まっており予想より早いインフレ目標への復帰が見込まれる」との見解を示した。報告通りに賃金指数も低下しているか注目したい。
NZからは、19日に第4四半期の卸売物価指数(PPI)、22日に1月貿易収支が発表予定。オアNZ準備銀行(RBNZ)総裁が「インフレ率はまだ高すぎる」と発言したこともあり、一部では更なる利上げ予想も高まっている。ただ、今週発表されたRBNZのインフレ期待は1年先が3.60%から3.22%へ、2年先は2.76%から2.50%へと下方修正された。28日に迫った金融政策委員会(MPC)を前にNZドルは神経質な動きとなるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は軟調か。21日にゴドンワナ南ア財務相が年間予算案を公表予定。市場では政府支出が目標を大幅に上回り、歳入が逆に減少しているとの予測が多い。歳入減は一次産品価格の下落で鉱山会社の売上高が減少し、税収が減っていることが要因。財政赤字の拡大はZARの重しになるだろう。また、20日に10-12月期の失業率、21日に1月のCPIが発表予定。失業率はこれまで、市場への影響は限られてきている。ただ、今年は5月に総選挙が予定されており、失業率の悪化が与党アフリカ民族会議(ANC)にとって支持率の更なる低下につながる可能性があるため注意したい。なお、最大野党の民主同盟(DA)は17日にマニフェストを公表する。
2月12日週の回顧
豪ドルは、対円・対ドルともにもみ合いだった。1月の米CPIが市場予想を上振れたことで米金利が急騰。豪ドル/ドルは昨年11月14日以来となる0.6443ドルまで弱含んだ。ただ、その後は弱い米小売売上高が下支えとなって買戻されている。なお、1月の豪雇用統計が弱めの結果だったことで、豪ドルの上値が抑えられる場面もあった。
ZARは行って来い。日経平均株価が37年ぶりの高値を更新したことを支えに、ZAR円が買われる場面もあった。ただ、米CPI後は米金利の上昇に連れてドルが底堅さを維持したことからランドの重しになった。(了)
(越後)
◆NZドル、28日のRBNZ・MPCを前に神経質
◆ZAR、失業率・CPI・予算案発表などイベント多数
予想レンジ
豪ドル円 95.00-99.50円
南ア・ランド円 7.60-8.10円
2月19日週の展望
豪ドルは、対ドルでは上値は限定的だろうが、対円や対欧州通貨では下値が限られそうだ。今週発表された米国の1月消費者物価指数(CPI)の結果を受けて米金利が急騰。米国では、次の重要インフレ指標として今月末の1月個人消費支出(PCE)の発表を待たなければならず、来週は大きくドルを売り込む材料に欠ける。豪ドル/ドルの上値は重く推移するとみている。一方で、欧州中央銀行(ECB)は4月会合での利下げ予想が高まっているほか、日銀の早期の金融正常化も期待できないことから、対ユーロや対円での堅調地合いは変わらないだろう。
来週は、20日に豪準備銀行(RBA)理事会(5‐6日開催)の議事要旨が公表予定。今年に入りRBAは理事会後に総裁が会見し、質疑応答も行われている。これまで以上に市場に理事会の内容を詳らかに説明していることもあり、議事要旨がサプライズとなることは少なくなりそうだ。一方、経済指標では21日の10-12月期賃金指数に注目。6日に発表されたRBA四半期金融政策報告では、「賃金と労働需要への下押し圧力がさらに高まっており予想より早いインフレ目標への復帰が見込まれる」との見解を示した。報告通りに賃金指数も低下しているか注目したい。
NZからは、19日に第4四半期の卸売物価指数(PPI)、22日に1月貿易収支が発表予定。オアNZ準備銀行(RBNZ)総裁が「インフレ率はまだ高すぎる」と発言したこともあり、一部では更なる利上げ予想も高まっている。ただ、今週発表されたRBNZのインフレ期待は1年先が3.60%から3.22%へ、2年先は2.76%から2.50%へと下方修正された。28日に迫った金融政策委員会(MPC)を前にNZドルは神経質な動きとなるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は軟調か。21日にゴドンワナ南ア財務相が年間予算案を公表予定。市場では政府支出が目標を大幅に上回り、歳入が逆に減少しているとの予測が多い。歳入減は一次産品価格の下落で鉱山会社の売上高が減少し、税収が減っていることが要因。財政赤字の拡大はZARの重しになるだろう。また、20日に10-12月期の失業率、21日に1月のCPIが発表予定。失業率はこれまで、市場への影響は限られてきている。ただ、今年は5月に総選挙が予定されており、失業率の悪化が与党アフリカ民族会議(ANC)にとって支持率の更なる低下につながる可能性があるため注意したい。なお、最大野党の民主同盟(DA)は17日にマニフェストを公表する。
2月12日週の回顧
豪ドルは、対円・対ドルともにもみ合いだった。1月の米CPIが市場予想を上振れたことで米金利が急騰。豪ドル/ドルは昨年11月14日以来となる0.6443ドルまで弱含んだ。ただ、その後は弱い米小売売上高が下支えとなって買戻されている。なお、1月の豪雇用統計が弱めの結果だったことで、豪ドルの上値が抑えられる場面もあった。
ZARは行って来い。日経平均株価が37年ぶりの高値を更新したことを支えに、ZAR円が買われる場面もあった。ただ、米CPI後は米金利の上昇に連れてドルが底堅さを維持したことからランドの重しになった。(了)
(越後)