NYマーケットダイジェスト・25日 株安・金利上昇・ユーロ高・ビットコイン高

(25日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.42円(前営業日比△0.01円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.09円(△0.42円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0837ドル(△0.0029ドル)
ダウ工業株30種平均:39313.64ドル(▲162.26ドル)
ナスダック総合株価指数:16384.47(▲44.35)
10年物米国債利回り:4.24%(△0.05%)
WTI原油先物5月限:1バレル=81.95ドル(△1.32ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2176.4ドル(△16.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>    <前回発表値>
2月米新築住宅販売件数
前月比                ▲0.3%     1.7%・改
件数                 66.2万件    66.4万件・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは3日ぶりに反発。欧州中央銀行(ECB)の利下げ開始時期が近づいているとの見方が一段と強まる中、前週末までにユーロ安・ドル高が進んでいたため、この日はポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが優勢となった。2月米新築住宅販売件数が予想を下回ったことが伝わると全般ドル売りが加速し、23時30分前に一時1.0842ドルと日通し高値を付けた。その後の下押しも1.0832ドル付近にとどまった。
 なお、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「今年の利下げは1回のみと予想」「経済が想定通りに進展すれば、米連邦準備理事会(FRB)は忍耐強くなることが可能」と述べた一方、グールズビー米シカゴ連銀総裁は「年内3回の利下げを予想」「(6月は利下げ検討の対象となっているかとの質問に対して)すべて検討中だがデータ次第」などと述べたと伝わった。

・ドル円はほぼ横ばい。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.25%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。週明け早朝取引で付けた151.45円を上抜けて一時151.54円まで値を上げた。
 ただ、政府・日銀による為替介入への警戒感が根強い中、一本調子で上昇する展開にはならなかった。22日の高値151.86円や2022年10月21日の高値151.95円、ノックアウトオプションが観測されている152.00円などがレジスタンスとして意識された。

・ユーロ円は3日ぶりに反発。ユーロドルの上昇につれた円売り・ユーロ買いが出ると一時164.21円と日通し高値を更新した。

・代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインはしっかり。対ドルでは一時7万1187ドル前後まで上昇したほか、対円では1076万円台まで買われた。ビットコインを裏付けとする上場投資信託(ETF)から資金が大量流出したことで、前週は下落が続いた。その反動もあり、本日は押し目買いなどが優勢となった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。中国がインテルとアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)のマイクロプロセッサーを自国政府機関のパソコンとサーバーから段階的に締め出す指針を導入。インテルなど半導体株に売りが出た。市場では「四半期末を控えて機関投資家などからの利益確定目的の売りが出やすかった」との声も聞かれた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日ぶりに反落。前週末に史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出た。ただ、エヌビディアやテスラなどが買われ、相場を下支えした。

・米国債券相場で長期ゾーンは反落。足もとで相場上昇が続いたあとだけに持ち高調整目的の売りが出た。なお、2年債入札は「堅調」と受け止められたものの、反応は限定的だった。

・原油先物相場は3日ぶりに反発。中東情勢の緊迫化が続いていることや、ウクライナとロシアのエネルギー関連施設の被害が広がっていることで、地政学リスクを意識したエネルギー供給不安観測が原油の買いを後押した。ロシア政府が石油企業に第2四半期の生産を抑制するように命じたと伝わったことも原油の買いに拍車をかけた。

・金先物相場は反発。先週末は利食い売りに押されたものの、依然として6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が高いことが金利を生まない金の下支えに下値の堅い動きとなった。対ユーロなどでややドル売りが優勢となったこともドル建ての金の買いを後押した。

(中村)
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