NYマーケットダイジェスト・2日 株安・金利上昇・原油高・金最高値

(2日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.56円(前営業日比▲0.09円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.22円(△0.30円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0770ドル(△0.0027ドル)
ダウ工業株30種平均:39170.24ドル(▲396.61ドル)
ナスダック総合株価指数:16240.45(▲156.38)
10年物米国債利回り:4.35%(△0.04%)
WTI原油先物5月限:1バレル=85.15ドル(△1.44ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=2281.8ドル(△24.7ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
2月米製造業新規受注(前月比)     1.4%     ▲3.8%・改
2月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数 875.6万件   874.8万件・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは反発。欧州市場では独長期金利の大幅上昇などを手掛かりに、イースター休暇明けの欧州勢によるユーロ買いが目立った。NY市場に入っても全般ユーロ買いの流れが継続し、23時30分前に一時1.0779ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、前日の高値1.0799ドルを上抜けることは出来なかった。米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まる一方、欧州中央銀行(ECB)の利下げ開始時期が近づいているとの見方は強まっており、戻りを売りたい向きは多いようだ。

・ドル円は小反落。対ユーロ中心にドル安が進行すると、円に対してもドル売りが先行。東京時間に付けた151.51円を下抜けると一時151.47円まで値を下げた。
 ただ、米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まる中、下値は限定的だった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.4032%前後と昨年11月28日以来の高水準を付けたことも相場を下支えした。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するメスター米クリーブランド連銀総裁は「米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げに踏み切るとの見方を維持しているが、利下げが可能かどうかを裏付けるデータをなお確認する必要がある」と述べたほか、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は「FF金利を今年3回引き下げるのは依然として妥当な見通しだが、現時点で調整を急ぐ必要はない」などと話した。

・ユーロ円は反発。23時前に一時163.33円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後はやや伸び悩んだ。ユーロドルにつれた動きとなった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まる中、米長期金利が大幅に上昇すると、株式の相対的な割高感が意識されて幅広い銘柄に売りが出た。指数は一時510ドル超下げる場面があった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。米金利上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出た。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。前週のパウエルFRB議長やウォラーFRB理事の発言を受けて、米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まる中、この日も売りが続いた。利回りは一時4.4032%前後と昨年11月28日以来の高水準を記録した。

・原油先物相場は3日続伸。中東やロシアでの地政学リスクの高まりを受け、原油相場では供給混乱への警戒感が広まりつつある。イランの在シリア大使館周辺へのイスラエルによる空爆で「革命防衛隊」の幹部らが死亡し、イランは報復を示唆。ロシアでは、製油所がウクライナのドローンに攻撃を受けた。時間外から買い優勢となった原油先物は、約5カ月ぶりの高値圏となる85ドル半ばまで上げ幅を拡大。持ち高調整の売りに押された場面でも84ドル台では底堅かった。

・金先物相場は6日続伸。前日にイスラエルがシリアのイラン大使館周辺を空爆し、イラン革命防衛隊の幹部を含む複数人が死亡したと報じられた。もともと地合いが強かったところに、中東の地政学リスクの高まりで安全資産とされる金の上昇に勢いがついた。一時2297ドル台まで上げ幅を拡大し、一巡後は利食い売りに押されるも、清算値ベースではこの日も過去最高値を更新した。

(中村)
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