ニューヨーク外国為替市場概況・24時 ドル円、155円目前に神経質な動き

 16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は24時時点では154.59円と22時時点(154.64円)と比べて5銭程度のドル安水準だった。ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長が「物価上昇圧力が根強く続いた場合は、より長期間の高金利維持が正当化される」などと発言すると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。22時30分前に一時154.77円と1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。
 ただ、大量のノックアウトオプションが観測されている155.00円がレジスタンスとして意識されると失速。22時30分過ぎには一時154.04円と日通し安値を更新した。市場では「これまで152円が防衛ラインと見られていたが、今回154円台に上昇しても円買い介入が実施されないことから、防衛ラインが155円まで引き上げられているのではないか」との見方が広がっている。
 もっとも、売り一巡後は再び買いが優勢となり154.70円付近まで上昇した。155.00円を目前に神経質な動きとなっている。

 ユーロドルは上値が重い。24時時点では1.0632ドルと22時時点(1.0639ドル)と比べて0.0007ドル程度のユーロ安水準だった。21時30分過ぎに一時1.0654ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値を切り下げた。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出た。
 なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁はCNBCとのインタビューで「大きなサプライズがない限り、ECBは近く利下げするだろう」「ディスインフレのプロセスはECBの想定通り推移している」としながらも、「2%のインフレへの道は険しいだろう。金利低下は直線的ではない」「利下げの道をあらかじめ約束しているわけではない」などと述べた。

 ユーロ円は売買が交錯。24時時点では164.36円と22時時点(164.52円)と比べて16銭程度のユーロ安水準だった。ドル円につれた動きとなった。

本日これまでの参考レンジ
ドル円:154.04円 - 154.77円
ユーロドル:1.0602ドル - 1.0654ドル
ユーロ円:163.68円 - 164.68円


(中村)
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