ニューヨーク外国為替市場概況・16日 ドル円、34年ぶり高値

 16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は154.72円と前営業日NY終値(154.28円)と比べて44銭程度のドル高水準だった。ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長が「物価上昇圧力が根強く続いた場合は、より長期間の高金利維持が正当化される」などと発言すると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。22時30分前に一時154.77円まで値を上げた。
 ただ、大量のノックアウトオプションが観測されている155.00円がレジスタンスとして意識されると失速。22時30分過ぎには一時154.04円と日通し安値を更新した。市場では「これまで152円が防衛ラインと見られていたが、今回154円台に上昇しても円買い介入が実施されないことから、防衛ラインが155円まで引き上げられているのではないか」との見方も広がっている。
 もっとも、売りの勢いはすぐに後退し持ち直した。パウエルFRB議長がインフレについて「最近のデータはさらなる進展が見られないことを示している」「確信を得るまでにはさらに時間がかかる可能性が高い」と述べ、利下げの時期が後ろ倒しになることを示唆するとドル買いが強まり、2時30分過ぎには154.79円と1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。

 ユーロドルは小幅ながら5日続落。終値は1.0619ドルと前営業日NY終値(1.0624ドル)と比べて0.0005ドル程度のユーロ安水準だった。4月独ZEW景況感指数が予想を上回ったことを受けてユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0654ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値を切り下げる展開に。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たほか、パウエルFRB議長の発言が相場の重しとなり、2時30分過ぎには1.0601ドルと昨年11月2日以来の安値を更新した。
 ただ、そのあとは1.0600ドルに観測される買いオーダーに下値を支えられて、1.0635ドル付近まで下げ渋る場面があった。

 ユーロ円は続伸。終値は164.29円と前営業日NY終値(163.91円)と比べて38銭程度のユーロ高水準。独経済指標の上振れをきっかけに買いが先行すると一時164.68円と日通し高値を付けたものの、ドル円が下落したタイミングで163.94円付近まで下押しした。そのあとは164円台前半でのもみ合いに終始した。

本日の参考レンジ
ドル円:154.04円 - 154.79円
ユーロドル:1.0601ドル - 1.0654ドル
ユーロ円:163.68円 - 164.68円

(中村)
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