ロンドン為替見通し=中東情勢を巡るリスクセンチメントの強弱を見定め

 本日のロンドン為替市場は、イスラエルとイランの対立からくるリスクセンチメントの強弱を見定めながらの取引となりそうだ。東京午前には、イスラエルのミサイルがイラン拠点を攻撃したとの報道を受けてリスク回避の動きが一気に強まった。もっとも、懸念されたイランの核施設への被害はなく、空爆は米国に事前通告されていたこと、ミサイルではなくドローンのみ仕掛けられた可能性が浮上すると、リスク回避の巻き戻しも速かった。

 欧州時間には、中東からのより明確な情報やメッセージを受け取ると思われる。今後のポイントの1つが、イスラエルのネタニヤフ首相が国内の強硬派を納得させることができたか。同国と国交がある周辺国との関係も考慮した攻撃だったことを考えると、これ以上アラブ諸国との溝は広げたくないとの思惑は感じられる。

 また今回の空爆を受けて、再びイスラエルへの敵対心を一層強めた革命防衛隊をイランの指導部が落ち着かせることができるかも注視される。同隊が報復攻撃でイスラエルの核関連施設を標的にすることを今後表明する、という一部報道も見受けられた。

 最も懸念されるのは報復合戦の泥沼化だが、逆に(関係は改善しないまでも)今回のイスラエルによる攻撃で一旦は様子見ムードが広がる可能性もある。いずれにせよ、金曜日で流動性も薄くなりがちなため、リスクオン・オフに傾いた方向に相場は加速するのではないか。

 時間外の米株先物や債券相場はもちろんだが、欧州株や金利の動向には注視しておきたい。為替は円相場もそうだが、アジア時間でも大きく動いたスイスフランにも目を向けておく必要があるだろう。

 想定レンジ上限
・ユーロ円、9日高値165.17円
・ユーロスイスフラン、12日高値0.9764フラン

想定レンジ下限
・ユーロ円、本日ここまでの安値163.02円
・ユーロスイスフラン、本日ここまでの安値0.6566フラン


(小針)
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