欧州マーケットダイジェスト・19日 株まちまち・原油失速・円安

(19日終値:20日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.62円(19日15時時点比△0.29円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.75円(△0.69円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0655ドル(△0.0025ドル)
FTSE100種総合株価指数:7895.85(前営業日比△18.80)
ドイツ株式指数(DAX):17737.36(▲100.4)
10年物英国債利回り:4.230%(▲0.042%)
10年物独国債利回り:2.500%(△0.003%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
3月独生産者物価指数(PPI)
前月比                0.2%      ▲0.4%
3月英小売売上高(自動車燃料含む)
前月比                0.0%      0.1%・改
前年比                0.8%     ▲0.3%・改
3月英小売売上高(自動車燃料除く)
前月比               ▲0.3%      0.3%・改
前年比                0.4%     ▲0.4%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは持ち直した。アジア市場では中東情勢の緊迫化を背景にリスク・オフの動きが強まり一時1.0611ドルまで売り込まれたものの、17日の安値1.0606ドルや16日の安値1.0601ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。「イスラエルの攻撃を受けたイランは再攻撃に慎重な姿勢を示している」との報道が伝わると、投資家の過度なリスク回避姿勢はいったん落ち着き、ユーロ買い・ドル売りがさらに進んだ。23時30分過ぎには一時1.0677ドルと日通し高値を更新した。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時105.85まで低下した。

・ドル円は高値圏でもみ合い。東京市場で高まった中東情勢に対する警戒感が和らぐと円売り・ドル買いがじわりと強まり、オセアニア時間に付けた日通し高値154.67円に接近した。半面、政府・日銀による為替介入への警戒感が高まる中、前日の高値154.68円が目先レジスタンスとして働き、相場の上値を抑えた。市場では「16日に付けた34年ぶりの高値154.79円や大量のノックアウトオプションが観測されている155.00円もレジスタンスとして意識される」との声が聞かれた。

・ユーロ円は下値が堅かった。アジア時間に一時163.02円まで売り込まれたものの、海外市場では買い戻しが優勢となった。中東の地政学リスクを背景としたリスク・オフの動きが徐々に後退し、円売り・ユーロ買いが進んだ。24時前には一時165.03円と日通し高値を更新した。

・ロンドン株式相場は3日続伸。中東の地政学リスクを背景にとしたリスク・オフの売りが先行したものの、英中銀(BOE)が早期利下げに踏み切るとの観測が強まる中、引けにかけては買い戻しが優勢となり上げに転じた。ナショナルグリッドやセバーン・トレントなど公共事業関連の銘柄が買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反落。中東情勢の緊迫が投資家心理を冷やし大幅下落で始まったものの、「イスラエルの攻撃を受けたイランは再攻撃に慎重な姿勢を示している」と伝わると買い戻しが入り下げ幅を縮めた。個別ではコベストロ(2.90%安)やザルトリウス(2.62%安)、インフィニオン・テクノロジーズ(2.43%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。

(中村)
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