ニューヨーク外国為替市場概況・26日 ドル円、34年ぶり高値

 26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は大幅に3日続伸。終値は158.33円と前営業日NY終値(155.65円)と比べて2円68銭程度のドル高水準だった。日銀は今日まで開いた金融政策決定会合で緩和的な金融環境を維持するとの方針を確認。市場の一部では「円安に対応して国債買い入れ縮小の方法を検討する」との思惑が浮上していただけに、日銀会合の結果を受けて改めて円売りが優勢となった。加えて、植田和男日銀総裁が定例記者会見で「今のところ基調的な物価に円安が大きな影響を与えているわけではない」「円安のインフレへの影響は通常一時的にとどまる」などと発言。円安を強くけん制するような発言がなかったことから、円を売る動きが活発化した。
 NY市場に入り、米商務省が発表した3月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)が前年比2.7%と予想の2.6%を上回り、変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターも前年比2.8%と予想の2.7%を上回ったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)による利下げが後ずれするとの観測が高まり、ドル買いの様相も強まった。節目の157円や158円を突破すると目先のストップロスを断続的に巻き込んで一時158.44円と1990年5月以来約34年ぶりの高値を更新した。 
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.19まで上昇した。

 ユーロドルは反落。終値は1.0693ドルと前営業日NY終値(1.0730ドル)と比べて0.0037ドル程度のユーロ安水準だった。欧州中央銀行(ECB)の利下げ開始時期が近づいているとの見方が一段と強まる一方、米物価指標の上振れを受けて米インフレ圧力の根強さが改めて示されたためユーロ売り・ドル買いが優勢となった。24時過ぎに一時1.0674ドルと日通し安値を更新した。

 ユーロ円は6日続伸。終値は169.31円と前営業日NY終値(167.02円)と比べて2円29銭程度のユーロ高水準。日銀が政策金利の据え置きを決めたことや植田日銀総裁の会見内容がハト派スタンスだったことを受けてNY市場でも円売りの流れが続いた。米国株相場が堅調に推移したことを受けてリスク・オンの円売りも強まると、一時169.39円と2008年8月以来の高値を更新した。

 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時197.93円と08年9月以来の高値を付けたほか、豪ドル円は103.48円と13年4月以来の高値を更新。NZドル円は94.09円と07年7月以来の高値、カナダドル円は115.93円と07年12月以来の高値を付けた。また、スイスフラン円は一時173.22円と史上最高値を記録した。

本日の参考レンジ
ドル円:154.99円 - 158.44円
ユーロドル:1.0674ドル - 1.0753ドル
ユーロ円:166.49円 - 169.39円

(中村)
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