ニューヨーク外国為替市場概況・30日 ドル円、反発

 30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は157.80円と前営業日NY終値(156.35円)と比べて1円45銭程度のドル高水準だった。1-3月期米雇用コスト指数が予想を上回ったことが分かると、賃金インフレ圧力の根強さが意識され、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始時期が遅れるとの観測が一段と強まった。米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢になると、5時30分過ぎに一時157.85円と日通し高値を更新した。月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローも観測された。
 ただ、前日には政府・日銀による為替介入と見られる急激な円高・ドル安局面があっただけに、上昇のスピードは比較的緩やかだった。なお、日銀が公表した明日の当座預金増減要因の予想値は市場推計値と5.5兆円ほど乖離しており、市場では29日に同程度(約5.5兆円)の円買い介入があったとの観測が強まっている。

 ユーロドルは反落。終値は1.0666ドルと前営業日NY終値(1.0721ドル)と比べて0.0055ドル程度のユーロ安水準だった。欧州市場では1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値や4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)コア速報値が予想を上回ったことを手掛かりに一時1.0735ドルまで上昇する場面もあったが、NY市場に入ると軟調な展開となった。米雇用コスト指数の上振れをきっかけに全般ドル買いが入ったほか、月末のロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも観測され、一時本日安値となる1.0665ドルまで値を下げた。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.33まで上昇した。

 ユーロ円は反発。終値は168.22円と前営業日NY終値(167.60円)と比べて62銭程度のユーロ高水準。予想を上回るユーロ圏GDP速報値を受けてユーロ買いが先行したあとは、ドル円の上昇につれた買いが入った。22時30分過ぎには一時168.60円と日通し高値を更新した。ただ、そのあとはユーロドルの下落につれた売りが出たため、伸び悩んだ。

本日の参考レンジ
ドル円:156.07円 - 157.85円
ユーロドル:1.0665ドル - 1.0735ドル
ユーロ円:167.23円 - 168.60円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。