ニューヨーク外国為替市場概況・29日 ドル円、4日ぶり反落

 29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反落。終値は156.35円と前営業日NY終値(158.33円)と比べて1円98銭程度のドル安水準だった。東京市場では一時160.17円と1990年4月以来34年ぶりの高値を付けたものの、日本時間夕刻には154.54円まで急落した。市場では「政府・日銀が急激な円安を阻止するため、為替介入に踏み切った」との観測が浮上した。なお、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙は「為替介入があったようだ」と報じた。
 NY市場に入っても政府・日銀による為替介入への警戒感は根強く、23時30分前に一時156.89円付近まで値を戻したあとは155.10円付近まで一転下落した。ただ、日通し安値である154.54円を下抜けることは出来ず、引けにかけては156円台前半まで値を戻している。市場関係者からは「イエレン米財務長官は先週、為替介入をけん制しており、そのお膝元であるNY市場での覆面介入はやりづらいのではないか」との声も聞かれた。

 ユーロ円は7日ぶりに反落。終値は167.60円と前営業日NY終値(169.31円)と比べて1円71銭程度のユーロ安水準。東京市場では一時171.56円と1999年のユーロ導入以来の高値を更新したものの、日本時間夕刻には165.66円まで急落。NY市場に入るとじりじりと下値を切り上げて、1時過ぎに167.98円付近まで下げ渋ったものの、2時前には166.38円付近まで再び値を下げた。ただ、引けにかけては167円台半ばまで下げ幅を縮めた。総じて、ドル円につれた動きとなった。

 ユーロドルは反発。終値は1.0721ドルと前営業日NY終値(1.0693ドル)と比べて0.0028ドル程度のユーロ高水準だった。欧州中央銀行(ECB)の利下げ開始時期が近づいているとの見方が一段と強まる中、4月独消費者物価指数(CPI)速報値が予想を下回ったことが伝わると一時1.0690ドル付近まで値を下げた。
 ただ、週明け早朝取引で付けた日通し安値1.0687ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.60%台まで低下したことも相場の支援材料となり、2時過ぎには1.0730ドル付近まで持ち直した。

本日の参考レンジ
ドル円:154.54円 - 160.17円
ユーロドル:1.0687ドル - 1.0734ドル
ユーロ円:165.66円 - 171.56円

(中村)
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