ニューヨーク外国為替市場概況・1日 ドル円、大幅反落

 1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は大幅に反落。終値は154.57円と前営業日NY終値(157.80円)と比べて3円23銭程度のドル安水準だった。米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場予想通りFFレートの誘導目標を5.25-5.50%に据え置くことを決めたと発表。声明では「ここ数カ月、物価上昇率2%の目標達成に向けて進展していない」と指摘し、利下げの開始時期が遅くなる可能性を示唆した。一方、国債の保有額を圧縮する量的引き締め(QT)のペースを6月から減速することを決め、「国債保有残高の圧縮ペース上限額を月600億ドルから250億ドルにする」とした。市場の一部では「QTの上限を300億ドルにする」との見方があっただけに、結果公表後は米金利低下とドル売りにつながった。
 また、パウエルFRB議長はFOMC後の会見で「インフレは依然として高すぎる」「利下げの確信を得るには想定より時間かかる見通し」としながらも、「次の行動が利上げになる可能性は低い」と話し、市場で警戒されていた利上げの可能性を否定。米金利がさらに低下したことで全般ドル売りが加速すると、一時157.01円まで値を下げた。
 米金利が低下幅を縮めると157.59円付近まで下げ渋る場面もあったが、5時過ぎから断続的に円買い・ドル売りのフローが観測されると一転急落した。市場では「政府・日銀が急激な円安を阻止するため、為替介入に踏み切った」との見方が強まり、節目の157円や156円、155円、154円を次々と下抜けて一時153.04円まで大幅に値を下げた。

 ユーロドルは反発。終値は1.0712ドルと前営業日NY終値(1.0666ドル)と比べて0.0046ドル程度のユーロ高水準だった。この日発表の4月ADP全米雇用報告は予想を上回ったものの、4月米ISM製造業景況指数や3月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想より弱い内容となったことを受けて全般ドル売りが先行した。FOMCの結果やパウエルFRB議長の会見を受けて米金利が低下するとドル売りが加速し、一時1.0733ドルと日通し高値を付けた。

 ユーロ円は急反落。終値は165.58円と前営業日NY終値(168.22円)と比べて2円64銭程度のユーロ安水準。FOMC結果公表後は168円台半ばで推移していたものの、5時過ぎから急速に円高が進むと164.09円の安値まで一気に4円超急落した。

本日の参考レンジ
ドル円:153.04円 - 157.99円
ユーロドル:1.0650ドル - 1.0733ドル
ユーロ円:164.09円 - 168.66円

(中村)
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