ニューヨーク外国為替市場概況・10日 ドル円、反発

 10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は155.78円と前営業日NY終値(155.48円)と比べて30銭程度のドル高水準だった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.50%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。米ミシガン大学が公表した5月米消費者調査で、消費者態度指数(速報値)は予想を下回ったものの、同時に発表された消費者の期待インフレが予想を上回ったことが分かるとドル買いがさらに進み、24時前に一時155.90円と日通し高値を付けた。
 ただ、前日の高値155.95円が目先レジスタンスとして意識されると上昇は一服し、そのあとは155円台後半でのもみ合いに終始した。
 なお、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事は「政策をもう少し長く現状維持する必要がある」「年内の利下げは正当化されないだろう」と述べたほか、ローガン米ダラス連銀総裁は「利下げについて考えるのは時期尚早」「インフレには重要な上振れリスクがある」との考えを示した。

 ユーロドルは小反落。終値は1.0771ドルと前営業日NY終値(1.0782ドル)と比べて0.0011ドル程度のユーロ安水準だった。23時前に一時1.0790ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は一転売りが優勢となった。米消費者のセンチメントは予想を下回ったものの、インフレ期待が予想を上回ったことでドルを買い戻す動きが広がった。24時前には1.0760ドルと日通し安値を更新した。もっとも、NY午後に入ると再び強含み、じりじりと下値を切り上げた。

 ユーロ円は5日続伸。終値は167.76円と前営業日NY終値(167.63円)と比べて13銭程度のユーロ高水準。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が出なかった。NY時間の安値は167.68円、高値は167.96円で値幅は28銭程度だった。

 カナダドルは一時買いが強まった。カナダ統計局が発表した4月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が9.04万人増と予想の2.00万人増を大きく上回り、失業率が6.1%と予想の6.2%より強い結果となったことを受けた。対ドルで一時1.3635カナダドル、対円で114.23円までカナダドル高に振れた。

本日の参考レンジ
ドル円:155.27円 - 155.90円
ユーロドル:1.0760ドル - 1.0790ドル
ユーロ円:167.42円 - 167.97円

(中村)
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