NYマーケットダイジェスト・14日 ナスダック最高値・金利低下・円安

(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.42円(前営業日比△0.20円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=169.25円(△0.69円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0819ドル(△0.0029ドル)
ダウ工業株30種平均:39558.11ドル(△126.60ドル)
ナスダック総合株価指数:16511.18(△122.94)
10年物米国債利回り:4.44%(▲0.04%)
WTI原油先物6月限:1バレル=78.02ドル(▲1.10ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=2359.9ドル(△16.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
4月米卸売物価指数(PPI)
前月比                0.5%     ▲0.1%・改
前年比                2.2%      1.8%・改
食品とエネルギーを除くコア指数
前月比                0.5%     ▲0.1%・改
前年比                2.4%      2.1%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは続伸。米労働省が発表した4月米卸売物価指数(PPI)が前月比で予想を上回ると米長期金利の上昇とともにドル買いが先行し、一時1.0768ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、同時に3月分の数値が下方修正されたこともあり、米金利の上昇とドル高は一時的なものにとどまった。米長期金利が低下に転じると一転ドル売りが優勢となり、24時前に一時1.0826ドルと日通し高値を更新した。
 なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は「ここ数カ月インフレ沈静化に進展がなかったことを踏まえ、当局は忍耐強くあるべきで、政策金利を引き続き高水準に維持する必要がある」「FRBが再利上げを迫られる可能性は低い」と改めて表明した。また、PPIの結果については「かなりまちまちな内容だった」と指摘した。

・ドル円は3日続伸。米PPIの上振れをきっかけに円売り・ドル買いが先行すると21時30分過ぎに一時156.74円と日通し高値を付けたものの、すぐに失速した。一時は4.52%台まで上昇した米10年債利回りが4.44%台まで低下したことも相場の重しとなり、22時30分前には156.23円付近まで下押しした。市場では「4月米PPIは予想を上回ったものの、3月分が下方修正されたため、物価の上振れへの過度な警戒が薄れた」との指摘があった。
 もっとも、オセアニア時間に付けた日通し安値156.14円が目先サポートとして働くと下げ渋った。「イエレン米財務長官から為替介入をけん制するコメントが再び出たことで、日米金利差を背景にした円売り・ドル買いが出やすい」との声も聞かれた。

・ユーロ円は7日続伸。イエレン米財務長官の発言で為替介入への警戒が後退する中、ユーロドルの上昇につれた買いが入った。1時前に一時169.36円と本日高値を更新した。そのあとも169円台前半での推移が続いた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、4月1日以来約1カ月半ぶりの高値となった。4月米PPIは前月比0.5%と予想の0.3%を上回ったものの、3月分が0.2%から▲0.1%に下方修正されたため、物価の上振れへの過度な警戒が薄れた。市場では「4月分はネガティブな内容だったが、3月分が相殺した」との声が聞かれた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、史上最高値で取引を終えた。米長期金利が低下したことで、高PER(株価収益率)のハイテク株には買いが入った。

・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。4月米PPIは予想を上回ったものの、3月分が下方修正されたため、物価の上振れへの過度な警戒が薄れた。指標発表直後は売りが出たものの、すぐに買い戻しが優勢となった。
 パウエルFRB議長はアムステルダムで行われたイベントで「インフレが落ち着くまで忍耐強くなる必要がある」と述べた一方、「次の政策変更が利上げとなる可能性は低い」との見解を繰り返した。新味に乏しい内容で債券相場の反応は限られた。

・原油先物相場は反落。4月米PPIが予想より強い結果となり、高インフレによる景気減速、原油需要の低迷への警戒感で売りが優勢となった。ただ、3月のPPIは下方修正され、PPI発表直後の下押しから下げ幅を縮小した。

・金先物相場は反発。予想比上振れの4月米PPIの発表直後は売りで反応したが、徐々に米長期金利が低下基調を強め、金利を生まない金は一転買いが優勢となった。為替相場でドルが対ユーロで下落し、ドル建ての金に割安感が生じたことも支えとなった。

(中村)
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