NY為替見通し=米金利動向に依然注目、南アは節目の総選挙

 本日のニューヨーク為替市場でも米金利動向を睨みながらの取引となりそうだ。昨日は、予想を大きく上回った5月米消費者信頼感指数や、米2年債と5年債の入札がそれぞれ低調な結果だったことから、米・中長期金利が上昇しドル円の支えとなった。本日も日本時間30日2時に米財務省が7年債入札を実施する。

 米経済指標は5月米リッチモンド連銀製造業景気指数にやや注目が集まる程度。市場予想は-6と前回から1ポイント改善だが、7カ月連続のマイナスが見込まれている。ただし、先週発表された同月米製造業PMI・速報値が予想比上振れたことから、強めの数値を期待してもよいか。もっとも大きく予想から離れない限り、相場インパクトは限られるだろう。

 米債入札の後には、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が討議に参加予定。同総裁は先日、足もとのインフレ鈍化は歓迎するとしながらも、「目標2%に持続的に向かうという確信が近い将来得られるとは予想していない」との見解を示した。利下げに対する慎重な姿勢を崩しておらず、本日も「ウィリアムズ総裁の考え変わらず」を確認することになりそうだ。

 なお、本日は南アフリカで総選挙が実施されている。アパルトヘイト(人種隔離)撤廃後、初めて民主的な選挙が行われたのが1994年。それから30年の節目となる選挙であり、注目は高そうだ。特に今回は、長らく与党を担ってきたアフリカ民族会議(ANC)の苦戦が予想されており、結果次第でランド相場が動意づくかもしれない。選挙前の調査ではANC支持率は高いところでも43%程度と、前回2019年の得票率57.5%から大幅減が見込まれている。

 投票は現地時間21時(日本時間30日4時)に終了し、投票所の閉会と同時に開票が行われる。各地域でそれぞれ結果が発表され、投票の多くは24時間以内に集計が終了する見込み。一部メディアによれば、通常は土曜日までには最終結果が出ていたが、今回は日曜日まで延びる可能性が高いということだ。

想定レンジ上限
・ドル円、1日高値157.99円
・南ア・ランド円、22日高値8.66円を超えると22-23日の下落幅の上方倍返し8.84円。

想定レンジ下限
・ドル円、23日安値156.53円
・ランド円、23日安値8.48円


(小針)
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