ニューヨーク外国為替市場概況・29日 ユーロドル、下落

 29日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは下落。終値は1.0801ドルと前営業日NY終値(1.0857ドル)と比べて0.0056ドル程度のユーロ安水準だった。21時過ぎに一時1.0859ドル付近まで値を上げたものの、オセアニア時間に付けた日通し高値1.0860ドルや前日の高値1.0889ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。5月独消費者物価指数(CPI)速報値が前月比で予想を下回ると、「米連邦準備理事会(FRB)よりも欧州中央銀行(ECB)のほうが先に利下げに動く」との見方が一段と強まり、ユーロ売り・ドル買いが進んだ。
 この日実施された米7年債入札が「低調」だったと伝わると、米10年債利回りが4.63%台まで上昇。全般ドル買いが活発化し、5時前に一時1.0800ドルと日通し安値を更新した。

 ドル円は続伸。終値は157.64円と前営業日NY終値(157.17円)と比べて47銭程度のドル高水準だった。米利下げ観測の後退や低調な米国債入札を背景に米長期金利が上昇すると、日米金利差を意識した円売り・ドル買いが優勢となった。1時30分過ぎ一時157.71円と1日以来の高値を更新した。
 なお、FRBはこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「経済活動は前回の報告時点から拡大を続けた」と指摘し、「物価は緩やかなペースで上昇した」「短期的な物価上昇は緩やかなペースで続く見込み」との見解を示した。

 ユーロ円は4営業日ぶりに反落。終値は170.28円と前営業日NY終値(170.63円)と比べて35銭程度のユーロ安水準。21時過ぎに一時170.76円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値170.80円がレジスタンスとして意識されると失速した。ユーロドルの下落につれた売りも出て一時170.21円付近まで下押しした。

本日の参考レンジ
ドル円:156.92円 - 157.71円
ユーロドル:1.0800ドル - 1.0860ドル
ユーロ円:170.17円 - 170.80円

(中村)
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