NYマーケットダイジェスト・5日 株高・金利低下・円安(2)

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。5月ADP全米雇用報告が予想を下回り、労働需給の緩和が示唆されると、米利下げ時期が遅れるとの懸念が後退。主力株に買いが集まった。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れたことも相場の支援材料。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、史上最高値で取引を終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。エヌビディアが大幅高となり、半導体関連銘柄も軒並み買われた。なお、エヌビディアの時価総額は3兆ドル台に乗せ、アップルを超えた。

・米国債券相場で長期ゾーンは5日続伸。5月ADP全米雇用報告が予想を下回ると米利下げ開始が先延ばしになるとの観測が後退し、買いが優勢となった。5月米ISM非製造業景況指数が予想を上回ると売りが強まる場面もあったが、すぐに持ち直した。

・原油先物相場は6日ぶりに反発。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で原油など石油関連在庫が軒並み積み増しとなったことで、73ドル割れへ下押す場面もあった。しかし底堅さを維持し、NY入りにかけてつけた73.80ドル台のレンジを抜けると、ここ数日続いた下落に対する反動の動きにやや弾みがついて、前日高値74.13ドルを上回る動きに。74.22ドルまでじり高となった。

・金先物相場は反発。週末に米雇用統計発表を控えるなか、その前哨戦と位置づけられることも多いADP全米雇用報告が予想を下回って、米金利低下が進んだ。金利が付かない資産である金への投資妙味が相対的に高まったとの見方や、雇用・景況悪化を受けて安全資産とされる金を買う動きが相場を押し上げた。

(中村)
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