NYマーケットダイジェスト・31日 金利低下・株底堅い・円安

(31日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.31円(前営業日比△0.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=170.62円(△0.76円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0848ドル(△0.0016ドル)
ダウ工業株30種平均:38686.32ドル(△574.84ドル)
ナスダック総合株価指数:16735.02(▲2.06)
10年物米国債利回り:4.50%(▲0.04%)
WTI原油先物7月限:1バレル=76.99ドル(▲0.92ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=2345.8ドル(▲20.7ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。米商務省が発表した4月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが前月比0.2%と予想の0.3%を下回ると米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.48%台まで低下し、全般ドル売りが先行。5月米シカゴ購買部協会景気指数が35.4と予想の41.0を下回ったことも相場の重しとなり、一時156.56円と日通し安値を更新した。
 ただ、前日の安値156.38円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。市場では「月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測された」との声も聞かれ、157.35円付近まで持ち直した。
 日銀はこの日、4-6月の国債買い入れオペ(公開市場操作)の運営方針を更新し、6月の日程を公表。全ての年限で1回あたりの買い入れ予定額のレンジと月間の実施回数を前回から据え置いた。日銀の早期政策修正観測が後退したことで円売りが出やすい面もあった。

・ユーロドルは小幅ながら続伸。欧州時間発表の5月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が予想を上回ったことを受けてユーロ買い・ドル売りが先行。米インフレ指標の下振れでドル売りが加速すると一時1.0882ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、28日の高値1.0889ドルや16日の高値1.0895ドルがレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。月末のロンドン・フィキシングに絡んだドル買いが入ると1.0840ドル付近まで下押しした。その後は週末を控えたポジション調整の動きに終始したため、1.08ドル台半ばで値動きが鈍った。
 なお、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はフランスの格付けを「AA」から「AA-」に引き下げたと伝わったが、相場の反応は限られた。

・ユーロ円は3日ぶりに反発。日銀の早期政策修正観測が後退する中、全般円売りが先行。ユーロ圏HICP速報値の上振れもユーロ買いを促し、22時過ぎに一時170.75円と日通し高値を付けた。ただ、28・29日の高値170.80円がレジスタンスとして働くと上昇は一服。そのあとは170円台半ばでのもみ合いに終始した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視する4月米PCE価格指数がほぼ予想に沿ったものとなり、緩やかなインフレ上昇にとどまったことが確認されると米長期金利が低下。株式の相対的な割高感が薄れ、株買いを促した。前日までに3日続落した反動で短期的な戻りを期待した買いも入った。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら3日続落。

・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。FRBがインフレ指標として重視する4月米PCE価格指数がほぼ予想に沿ったものとなり、高インフレが続くとの懸念が和らぐと債券買いが優勢となった。

・原油先物相場は3日続落。米PCEデフレーターがほぼ予想に沿ったものとなり、緩やかなインフレ上昇にとどまったことが確認されると米金利の低下を受けてドル売りが進んだ。ドルで取引される原油先物は割安感から、指標発表後には強含む場面もあったが徐々に上値を切り下げた。市場では、2日から開催される石油輸出国機構(OPEC)プラスの会合を前に、持ち高調整の売りが出ていたとの話もあった。

・金先物相場は反落。米PCEデフレーターがほぼ予想に沿ったものとなり、緩やかなインフレ上昇にとどまったことが確認されると米金利の低下を受けて、金先物は一時買いの勢いが強まった。しかし、週末を前にしたポジション調整で徐々に上値が重くなり、反落して引けた。

(中村)
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