NYマーケットダイジェスト・28日 ナスダック最高値・金利上昇・円安

(28日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.17円(前営業日比△0.29円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=170.63円(△0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0857ドル(▲0.0002ドル)
ダウ工業株30種平均:38852.86ドル(▲216.73ドル)
ナスダック総合株価指数:17019.88(△99.09)
10年物米国債利回り:4.55%(△0.09%)
WTI原油先物7月限:1バレル=79.83ドル(△2.11ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=2356.5ドル(△22.0ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
3月米住宅価格指数(前月比)     0.1%        1.2%
1-3月期米住宅価格指数(前期比)   1.1%        1.5%
3月米ケース・シラー住宅価格指数
前年比                7.4%       7.3%
5月米消費者信頼感指数         102.0      97.5・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。米長期金利の指標である米10年債利回りが4.44%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。22時30分前に一時156.59円と日通し安値を付けた。
 ただ、5月米消費者信頼感指数が102.0と予想の95.9を上回ったことが分かると買い戻しが優勢に。この日実施された米2年債と5年債の入札が低調な結果だったことが伝わると、米10年債利回りが4.55%台まで一転上昇。全般ドル買いが活発化し、5時30分過ぎには一時157.20円と日通し高値を更新した。

・ユーロドルはほぼ横ばい。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0889ドルと日通し高値を付けたものの、16日の高値1.0895ドルがレジスタンスとして意識されると失速。良好な米経済指標や低調な米国債入札をきっかけに米長期金利が上昇に転じたことも相場の重しとなり、4時前に一時1.0855ドルとオセアニア時間に付けた日通し安値に面合わせした。
 ただ、下押しも限定的だった。クノット・オランダ中銀総裁が「政策金利はゆっくりと、しかし徐々に、より緩和的な水準へと移行するだろう」と述べたことで、「欧州中央銀行(ECB)による利下げが緩やかなペースにとどまる」との見方が強まったことも相場を下支えした。

・ユーロ円は3日続伸。22時30分過ぎに一時170.31円付近まで下押ししたものの、オセアニア時間に付けた日通し安値170.28円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。「ECBによる利下げが緩やかなペースにとどまる」との見方が強まったことも相場の支援材料となり、2時30分過ぎには一時170.80円と4月29日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が「利下げを行う前にさらに数カ月、インフレ率が改善する良好なデータを確認したい」と発言すると、FRBによる利下げ開始が先送りになるとの懸念が高まり株売りを誘った。米長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感が意識されたことも相場の重し。
 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、史上最高値で取引を終えた。エヌビディアが7%超の大幅高となり、相場の上昇をけん引した。

・米国債券相場で長期ゾーンは反落。5月米消費者信頼感指数が予想を上回ると売りが先行。米財務省が発表した2年債と5年債の入札結果が「低調」と受け止められたことも相場の重しとなった。

・原油先物相場は続伸。メモリアルデーから始まったドライブシーズンへの需要の高まり期待から、原油先物は終始堅調地合いを維持し、続伸して引けた。また、6月2日から始まる石油輸出国機構(OPEC)プラスの閣僚級会合を前に買いを入れている投資家も多かったとの声もあった。

・金先物相場は5日ぶりに反発。先週の金先物は米長期金利が上昇したことで大幅に下落したこともあり、3連休明けは値ごろ感から買いが優勢になり5日ぶりに反発した。もっとも、米債入札後に米金利が上昇し、ドルも買われたことで伸び悩む場面もあった。

(中村)
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