ロンドン為替見通し=ECB、金融政策発表 ラガルド総裁がヒント示すか注視

 本日のロンドン為替市場では、欧州午後に控える欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表や、ラガルドECB総裁の定例記者会見が注目される。そのため暫くは、欧州株・債券動向を眺めながら様子見ムードが広がりそうだ。ECB決定前には4月独製造業新規受注や同月ユーロ圏小売売上高が発表されるが、相場インパクトは弱いだろう。

 本日のECB理事会では、0.25%の利下げ決定が大方の予想。見込み通りであれば、2016年以来の利下げとなる。金融市場では織り込み度が進んでいるため、金利引き下げ自体は材料視され難いだろう。関心はその次の一手、「2回目の利下げはいつか」に移っている。

 昨日はカナダ中銀(BOC)が主要中銀のなかで先んじて利下げに踏み切った。それ自体はサプライズではないものの、マックレムBOC総裁が会見でハト派的な見解を示したことでカナダドル売りが進行した。その後でもあり、ラガルドECB総裁が会見で何かしらのヒントを示すか、一言一句がいつも以上に注視されそうだ。

 なお欧州連合(EU)では本日から、加盟している全27カ国で欧州議会選が始まる。5年に一度行われる選挙では、本日の投票はオランダのみ。議席数が多いドイツやフランスなどを含めた大半が9日に行われる。

 今回の選挙では、フランスなどで支持率が高い極右政党の議席増が予想されているもよう。立法機関としての位置付けが高まった欧州議会で、EUに懐疑的な政党の立場が強まるようであれば、今後の政策運営への不透明感が深まるだろう。そうなると、通貨ユーロも積極的に上値を追いづらくなるかもしれない。

 その他、昨日も売られた南ア・ランドの動向にも目を向けておきたい。南アフリカでは、与党アフリカ民族会議(ANC)を巡る連立政権の枠組みがまだ不明瞭だ。先行き見通しが立たないあいだは、ランドが上値は限定的か。

想定レンジ上限
・ユーロドル、3月8日高値1.0981ドル
・ランド円、昨日高値8.35円

想定レンジ下限
・ユーロドル、5月30日安値1.0788ドル
・ランド円、日足一目均衡表・雲の下限8.13円

(小針)
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