ロンドン為替見通し=4月独卸売物価指数(WPI)とECB高官の発言に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、4月独卸売物価指数(WPI)を見極めつつ、センテノ・ポルトガル中銀総裁とクノット・オランダ中銀総裁の発言に注目する展開となる。

 4月独卸売物価指数(WPI)は、3月の前月比+0.2%から下振れていた場合、ユーロ圏のインフレ率の鈍化傾向が確認されることで要注目か。

 昨日はハト派のレーンECB専務理事が「欧州中央銀行(ECB)は利下げを開始する準備が整っている」、ビルロワドガロー仏中銀総裁が「ECBは7月の追加利下げを排除すべきではない。サプライズがなければ、6月の利下げは決定事項」と述べたものの、6月理事会での利下げ開始はほぼ織り込み済みとなっており、ユーロの下値は限定的だった。

 20時に講演予定のセンテノ・ポルトガル中銀総裁は、先日、ユーロ圏のインフレ率が持続的に2%に向かっていることを受け、ECBによる利下げ開始は確実だとする見通しを示したものの、6月の理事会で実際に利下げ開始となるかについては予想を控えた。
 そして、「市場は6月の利下げ開始を期待しているが、私はその決定を予想するつもりはない。政策金利の決定はデータに基づいて各理事会で行い、利下げは急激ではなく段階的に行われることが望ましい」と述べていた。
 本日の講演では、6月理事会での利下げ開始に言及するか注目しておきたい。

 22時15分から講演予定のクノット・オランダ中銀総裁は、先日、「インフレが2%目標に向かうとの確信が強まっている。6月が最初の利下げの良い機会」と述べており、本日も同様の発言が予想される。
 注目ポイントは、追加利下げの時期やペースに関する見解となる。

想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0943ドル(3/21高値)
・ユーロ円:171.56円(4/29高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0760ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:169.29円(5/23安値)


(山下)
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