ロンドン為替見通し=まず欧州金利の反応を見定め、その後は米金利動向を注視

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、まず欧州金利の反応を見定めながらの取引か。その後は昨日のNY時間同様に、米長期金利の動向を睨みながら方向感を探ることになりそうだ。

 現物の欧州長期債利回りは昨日の5月米消費者物価指数(CPI)の影響を受けて大幅に低下して終えた。しかしながら相場が引けたのは、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表前。金利先物では反応しているものの、FOMCメンバーの経済・金利見通しを示すドットチャートを織り込んだ動きを欧州現物債でも確かめる必要がある。

 ただやはり、より重要視されるのは米金利の動向だろう。欧州金利への反応が一巡すれば、再び米長期金利の指標となる米10年債利回りの方向性に目が向くはずだ。NY勢の参入後となる欧州午後には、5月米卸売物価指数(PPI)が発表される。CPIほどのインパクトはないものの、もし予想より鈍化となれば米金利低下とともにドル売りが加速するかもしれない。

 ユーロドルは複数のテクニカル主要線が近場にあり、それらを念頭に置きながらの取引ともなる。昨日引け水準の下に位置するのは、90日移動平均線1.0803ドル、その下に日足一目均衡表・雲の上限1.0791ドルと200日線1.0790ドル。引けより上には日足一目・転換線と基準線1.0818ドル、21日線1.0838ドルが控える。

 欧州のイベントとしては、ミュラー・エストニア中銀総裁の講演や4月ユーロ圏鉱工業生産が発表予定。また本日からイタリアのプーリア州で、主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開催される。また、極右が存在感を増しているフランスの総選挙に関する報道も注視したい。

 ほか日銀金融政策決定会合の結果公表を明日に控え、観測報道が飛び交う可能性は十分にあり得る。日銀関連のニュースヘッドラインでドル円やクロス円が右往左往という局面もあるだろう。

想定レンジ上限
・ユーロドル、6・7日高値1.0902ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、11日安値1.0720ドル

(小針)
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