ロンドン為替見通し=欧州通貨、対ドルでの買いの流れ継続か

 本日のロンドン為替市場では、昨日の弱い米経済指標をきっかけに進んだ「欧州通貨買い・ドル売り」の流れが暫く継続するか。アジア序盤からユーロドルは1.09ドル前半、ポンドドルが1.28ドル前半で上値を伸ばし、ドルスイスフランも0.89フラン半ばで下押す場面があった。
 
 ただしユーロドルに関しては、ユーロが対ポンドやスイスフランで伸び悩んでいることもあり、上昇力が鈍る動きも想定しておきたい。また、利下げ織り込み済みと言え6日には欧州中央銀行(ECB)理事会を控えていることも、積極的な上値攻めを躊躇させるかもしれない。なお本日のユーロ圏の経済指標は、5月独雇用統計が発表される程度。

 英国では、7月4日に総選挙が行われる。最大野党・労働党の優勢が伝わっており、現与党・保守党は支持率の差を縮められないもよう。直近の調査でも、議会下院の6割超を労働党が獲得する可能性があるとの予想がでた。14年ぶりとなる労働党政権が誕生すれば、離脱後に疎遠となった欧州連合(EU)との関係修復に繋がるとの見方がある。その期待感もポンドの底堅さに繋がっていそうだ。

 本日は欧州序盤に5月スイス消費者物価指数(CPI)が発表予定。通常それほど相場へのインパクトはないものの、ジョーダン・スイス中銀(SNB)総裁が先日「インフレ予測に小幅な上振れリスクがある」と述べた後でもあり、結果には注視したい。20日にはスイス中銀・金融政策決定会合が控えており、結果次第ではスイスフランの動意に繋がるか。

想定レンジ上限
・ユーロドル、3月8日高値1.0981ドル
・ポンドドル、3月8日高値1.2894ドル
・ドルスイスフラン、ピボット・レジスタンス1の0.9018フラン

想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0847ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・転換線1.2742ドル
・ドルスイスフラン、200日移動平均線0.8891フラン


(小針)
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