株式明日の戦略-材料難の日に乱高下、欧州リスクを見極める局面

 20日の日経平均は3日続伸。終値は62円高の38633円。

 前場で大きく下げて、後場に下げた分を戻すという不安定な動きとなった。押し目買い意欲が強かったというよりは、前場で無駄に下げただけという印象。今の日本株は弱い動きが出てくると脆いことが印象づけられた。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり746/値下がり840。TOWAやイビデンが大幅上昇。株主優待実施が好感されたメディア工房は買いが殺到してストップ高比例配分となった。日本取引所グループがTOPIXの新たな改革案を公表したことを手がかりに、ワークマン、カバー、GNIなど、スタンダード、グロース市場で時価総額の大きい銘柄が物色された。

 一方、内部統制報告書において開示すべき重要な不備があったと発表したニデックが大幅安。日本郵船など海運大手3社がそろって下落した。三菱UFJや三井住友など銀行株が軟調。新株予約権の発行が嫌気されたブライトパスバイオが急落した。

 本日は3社が新規上場。Postprimeは公開価格と同値でスタートした後、ストップ高まで買い進まれた。WOLVES HANDは初値は公開価格を上回ったが、終値は初値を下回った。タウンズは初値が公開価格を下回り、終値も初値を下回った。

 休場前の米国株に欧州情勢を警戒するような動きは見られなかった。そのため、本日の米国株が下げたとしても落ち着いていれば、日本株の下値は堅いと思われる。一方、米国で欧州を警戒するような動きが出てくるようだと、週末を前にリスク回避の動きが出てくるだろう。6月末から7月にかけてはフランスやイギリスで選挙があり、欧州関連のニュースが多く出てくると思われる。これが欧州だけのリスクなのか、グローバル株式市場のリスクになるのか、まずは休場明けの米国の動向が大きく注目される。
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