ニューヨーク外国為替市場概況・26日 ドル円、続伸

 26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は160.81円と前営業日NY終値(159.70円)と比べて1円11銭程度のドル高水準だった。円の先安観を背景に全般円売りが先行すると、レジスタンスとして意識されていた4月29日の高値160.17円や1990年4月17日の高値160.20円を上抜けて、22時過ぎに一時160.41円まで値を上げた。市場では「本邦貿易赤字など構造的な円売り要因は早期に解消されず、当面は円安・ドル高基調が続くだろう」との声が聞かれた。
 神田財務官が「為替の足もとの動きは急激」「行き過ぎた動きには必要な対応をとっていく」「高い警戒感を持って市場の動向を注視している」と述べ、足もとの円安進行をけん制すると160.02円付近まで下げたものの、下押しは限定的。このところ、米連邦準備理事会(FRB)高官らが利下げに慎重な考えを示す中、米長期金利の上昇に伴うドル買いも出て、取引終了間際には一時160.87円と1986年12月以来約37年半ぶりの高値を付けた。

 ユーロドルは続落。終値は1.0681ドルと前営業日NY終値(1.0714ドル)と比べて0.0033ドル程度のユーロ安水準だった。FRBが利下げを慎重に判断するとの見方が広がる中、米長期金利の上昇に伴うドル買いが先行。22時30分過ぎに一時1.0666ドルと5月1日以来の安値を付けた。
 ただ、同日安値の1.0650ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。ユーロ円の上昇につれた買いも入り1.0696ドル付近まで下値を切り上げる場面があった。
 なお、レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストは講演で「基本シナリオが維持されるのであれば、追加利下げはあるだろう」と述べたほか、カザークス・ラトビア中銀総裁は「金融緩和を急ぐ必要はない」「利下げは一歩ずつ進めてゆく」などと話した。

 ユーロ円は反発。終値は171.75円と前営業日NY終値(171.10円)と比べて65銭程度のユーロ高水準。円の先安観を背景に全般円売りが優勢になると、レジスタンスとして意識されていた4月29日の高値171.56円を上抜けて上昇が加速。取引終了間際に一時171.80円と1999年のユーロ導入以来の高値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:159.62円 - 160.87円
ユーロドル:1.0666ドル - 1.0718ドル
ユーロ円:170.85円 - 171.80円

(中村)
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