ニューヨーク外国為替市場概況・28日 ドル円、小反発

 28日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小反発。終値は160.88円と前営業日NY終値(160.76円)と比べて12銭程度のドル高水準だった。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視する5月個人消費支出(PCE)物価指数が市場予想に沿う形で鈍化したことが分かると、全般ドル売りが先行。前日の安値160.29円を下抜けて一時160.26円まで値を下げた。東京市場で一時161.27円と1986年12月以来約37年半ぶりの高値を付けたあとだけに、利益確定目的の売りも出やすかった。
 ただ、その後発表された6月米シカゴ購買部協会景気指数や6月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が予想を上回ったことが伝わると買い戻しが優勢に。市場では「月末・期末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだ円売りのフローが観測された」との声も聞かれ、160.96円付近まで持ち直した。

 ユーロドルは小幅ながら続伸。終値は1.0713ドルと前営業日NY終値(1.0704ドル)と比べて0.0009ドル程度のユーロ高水準だった。米インフレ再加速への懸念が後退すると米10年債利回りが一時は4.25%台まで低下。ユーロ買い・ドル売りが先行した。
 ただ、米10年債利回りが4.40%台まで一転上昇するとユーロ売り・ドル買いが出て1.06ドル台後半まで下押しした。
 もっとも、月末・期末のロンドン・フィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測されると持ち直した。2時過ぎには一時1.0725ドルと本日高値を更新した。

 ユーロ円は3日続伸。終値は172.39円と前営業日NY終値(172.08円)と比べて31銭程度のユーロ高水準。ドル円が下落した影響で22時30分前に一時171.45円と日通し安値を付けたものの、前日の安値171.39円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。ドル円の持ち直しにつれた円売り・ユーロ買いも出て、一時172.45円と1999年のユーロ導入以来の高値を更新した。月末・期末のロンドン・フィキシングに絡んだ円売りのフローも観測された。

本日の参考レンジ
ドル円:160.26円 - 161.27円
ユーロドル:1.0685ドル - 1.0725ドル
ユーロ円:171.45円 - 172.45円

(中村)
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