ロンドン為替見通し=ユーロ、仏・決選投票に向けた動きを注視 南ア政府の動向にも注目

 本日のロンドン為替市場でユーロは、週末にフランスで行われた国民議会(下院)選挙の結果に対する反応を見極めることになる。第1回投票の出口調査の内容は既に明らかになっており、極右政党「国民連合(RN)」が最大勢力となる見通し。マクロン大統領が率いる中道・与党連合は予想通りの低調な結果となり、得票率は高くても23%に届くかどうかと左派連合にも及ばない3位に沈んだ。

 週明けのユーロは対主要通貨で買いが先行。出口調査の結果がほぼ想定通りだったため、材料出尽くし感が広がった。反・欧州連合(EU)の動きを強める左派連合の得票率が伸びず、第1党となる可能性が低下したことも安心感につながったもよう。

 マリーヌ・ルペン氏が実質上率いるRNは第1回目で33-34%の得票率が見込まれ、7日の決選投票でも今のところ有利な状況とされている。今後は、過半数を目指す勢いのRNに対して、対抗勢力がどの程度まで手を組むことができるかが注目だろう。先行き不透明感が強まったときに、フランスの株や債券市場の反応に目を向けておきたい。リスクセンチメントの強弱でユーロも上下に振らされそうだ。

 なお本日は、改定値ではあるが仏・独・ユーロ圏の6月製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。さえなかった速報値の後なだけに反動もあり得るが、もし下方に修正されるようなら、失望感からユーロの下押し要因とされるかもしれない。

 他、ユーロ同様に週明けから上昇した南ア・ランドの動きにも注視。南アフリカで立ち上げられた国民統一政府(GNU)に、野党第一党・民主同盟(DA)の参加が決まったと週末報じられた。DAの参加で新政府が経済にも重きを置くという姿勢が見られれば、海外投資家の南アに対する期待度も上がりそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の上限1.0805ドル
・ランド円、節目9円を超えるとピボット・ターニングポイント9.07円

想定レンジ下限
・ユーロドル、6月26日安値1.0666ドル
・ランド円、日足一目均衡表・転換線8.81円を割り込むと6月27日安値8.68円


(小針)
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