株式明日の戦略-グロース主導で派手な上昇、42000円も通過点か

 9日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は799円高の41580円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1098/値下がり472。米半導体株の上昇を受けて、東京エレクトロンやアドバンテストが大幅上昇。ソフトバンクGが4.1%高、ファーストリテイリングが3.2%高と、指数寄与度の大きい銘柄に強い動きが見られた。日経報道から株主還元強化期待が高まった日立が、証券会社による目標株価引き上げもあって5%を超える上昇。米コーニングの急伸を受けて電線株が物色されており、フジクラが急騰した。

 一方、物色に広がりが出てくる中、足元の動きが強かった三菱重工が12日ぶりに反落。グロース優位の地合いの中でバリュー株は敬遠されており、三菱UFJや三井住友など銀行株が売りに押された。半導体株には買われるものが多かった中、ソシオネクストはやや大きめの下落。決算を受けて、ウエルシアHDやクリエイトSDHなどドラッグストア株が大幅安となった。

 日経平均は大幅上昇。半導体株や電機株が強く買われたほか、ファーストリテイリングやソフトバンクGも指数の上昇に大きく貢献した。派手な上昇となった分、反動にも注意を払う必要があるが、仕掛け的な売りは出しづらくなっている上に、押し目を作るようなら上昇に乗り遅れた投資家からの買いが期待できる。目先は振れ幅が大きくなるかもしれないが、基調は強いとみておいた方が良い。

 本日、米国ではパウエルFRB議長が上院で議会証言を行う予定。発言内容がハト派的と受け止められて米国の長期金利が低下するようなら、グロース株の支援材料になる。タカ派的と受け止められた場合でも、11日に6月消費者物価指数(CPI)、12日に6月生産者物価指数(PPI)と米国の物価指標の発表が相次ぐことから、これらを見極めるまでは米国の長期金利は上がりづらいだろう。ナスダックやS&P500の高値更新基調が続く中、日本ではナスダックが上昇した際に買われやすいグロース株の動きが良くなってきた。米長期金利が急上昇するようなことがなければ、日経平均は次の心理的節目の42000円も通過点となる公算が大きい。
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