ニューヨーク外国為替市場概況・30日 ドル円、反落

 30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は152.77円と前営業日NY終値(154.02円)と比べて1円25銭程度のドル安水準だった。NHKが「日銀は明日まで開く金融政策決定会合で現在0-0.1%の政策金利を0.25%程度に引き上げる案などを議論」と報じたほか、日経新聞が「日銀は追加利上げを検討、国債買い入れを減額する量的引き締めの具体策も決める」と伝えると、日銀の金融政策正常化への思惑が高まり円全面高の展開となった。前日の安値153.02円を下抜けて一時152.66円まで値を下げた。
 31日就任する三村淳財務官が足もとの円安について「輸入物価を押し上げて国民生活に影響を与えるなどデメリットの方が大きい」との認識を示したことも円買いを促したようだ。なお、三村氏は為替介入に関しては「国際合意の枠組みの中でやっていく」と述べ、為替水準や見通しについては「コメントしない」と話した。

 ユーロドルは小幅ながら続落。終値は1.0815ドルと前営業日NY終値(1.0821ドル)と比べて0.0006ドル程度のユーロ安水準だった。欧州市場では一時1.0836ドルまで上昇する場面もあったが、6月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数や7月米消費者信頼感指数が予想を上回ると、米10年債利回りが上昇に転じたため一転下落した。24時前に一時1.0798ドルと4日以来の安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。「イスラエルはヒズボラに報復。レバノンの首都ベイルートで同国のシーア派勢力ヒズボラの司令官を狙った攻撃を仕掛けた」との報道が伝わると、米10年債利回りが4.12%台まで低下。ユーロ買い・ドル売りがじわりと強まり、1.0818ドル付近まで下げ幅を縮めた。

 ユーロ円は3日続落。終値は165.25円と前営業日NY終値(166.67円)と比べて1円42銭程度のユーロ安水準。取引終了間際に一時165.11円と日通し安値を更新した。日銀金融政策決定会合の結果公表を明日に控えて、各メディアから追加利上げを巡る観測報道が相次いだ。市場では日銀の政策正常化に関する織り込みが進み、円全面高の展開となった。米ハイテク株の下落や日経平均先物の下落を背景に、リスク回避目的の円買いも進んだ。
 なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比600円安の3万7890円まで大幅に値を下げた。

本日の参考レンジ
ドル円:152.66円 - 155.22円
ユーロドル:1.0798ドル - 1.0836ドル
ユーロ円:165.11円 - 167.95円

(中村)
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