ロンドン為替見通し=リスク回避が先行か、スイスCPIや英中銀高官の講演にも注目

 本日のロンドン為替市場では、先日に大幅に悪化したリスクセンチメントが状況を見定めながらの取引か。スイスフランはスイスのインフレ指標、ポンドは英中銀チーフエコノミストの講演も注目される。

 昨日の独DAXが2.3%の下落率を記録するなど、主要な欧州株価指数は軟調なまま終えた。米株も売り優勢で終えたうえに、アマゾンやインテルなどが引け後に発表した決算を受けて急落するなど目先は弱気な材料が目立つ。欧州午後に7月米雇用統計を控えていることもあり、どこかで一旦は落ち着くのだろうが、まずはリスク回避を意識した動きが先行することになりそうだ。

 序盤にはスイス7月消費者物価指数(CPI)が発表予定。前月比が前回の横ばいから0.2%低下が予想されている。CPI前年比も1%前半が大方の見通しだ。スイス中銀の次回金融政策決定会合は9月26日とまだ先ではあるものの、前月比のマイナス度合い次第では、一気に追加利下げ観測が強まるだろう。このところリスク回避の動きを背景に強含んでいたスイスフランの戻り幅を気にかけておきたい。

 日本時間20時過ぎには英中銀のチーフエコノミストでもあるピルMPC委員が講演予定。英中銀は昨日4年5カ月ぶりの利下げ決定を公表した。ただし9名のMPC委員のなかで、ベイリー総裁の利下げ提案に賛成したのは総裁含めて5名のみ。ピル氏は据え置き維持を主張した4名のなかの1人であり、どのような考えで利下げに反対したのかが注目される。

想定レンジ上限
・ユーロドル、7月31日高値1.0849ドル
・ユーロスイスフラン、1日高値0.9515フラン
・ユーロポンド、90日移動平均線0.8504ポンド

想定レンジ下限
・ユーロドル、7月2日安値1.0710ドル
・ユーロスイスフラン、2月7日安値0.9351フラン
・ユーロポンド、日足一目均衡表・基準線0.8441ポンド


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。