株式明日の戦略-4桁下落が3週続く、円高と株安に対する警戒が強まる
2日の日経平均は大幅続落。終値は2216円安の35909円。1日の米国では、市場予想を大きく下回る7月ISM製造業PMIから景気後退が意識されて、米国株が大幅安。10年債利回りが4%を割り込むなど長期金利の大幅低下を受けてもナスダックが2%超下落するなど、リスク回避ムードが強まった。ドル円は円高・ドル安に振れ、日経平均先物が大きく値を崩した。
これらを受けて寄り付きから600円を超える下落。ほぼ全面安となり、早い時間に下げ幅を4桁に広げた。37000円を割り込んでも売りは止まらず、10時近辺では下げ幅を2000円超に広げた。36100円台でいったん売り圧力が和らぎ、やや戻してしばらくは安値圏でのもみ合いが続いた。ただ、後場に入っても低空飛行が続く中、終盤にかけては再び下げ幅を2000円超に拡大。36000円の節目も割り込むと、引け間際には35800円台に突入する場面もあり、安値圏で終了した。新興グロース株も強烈に売り込まれ、グロース250指数は7.5%安。グロース250先物にはサーキットブレーカーが発動した。
東証プライムの売買代金は概算で6兆6400億円。業種別では全業種が下落。証券・商品先物が12.1%安、銀行が11.0%安、保険が9.6%安と、金融株が大きく崩れた。相対的に値を保った電気・ガス、医薬品、鉄鋼でも2%台の下落と、厳しい下げとなった。1Q決算が好感されたJVCケンウッド<6632.T>が買いを一手に集めてストップ高。反面、1Q決算が市場の期待に届かなかった三井物産<8031.T>が10.6%安と急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり14/値下がり1626。前日に日銀のさらなる利上げへの期待から買いを集めた銀行株が一転売られており、三菱UFJ、三井住友、みずほFGのメガバンク3行がそろって2桁の下落率。東京エレクトロン、レーザーテック、SCREENが2桁の下落率と半導体株も厳しい下げとなった。今年強く買われる場面があった三菱重工や日立などが急落。失望決算と株安を受けて大和証券Gが2割近い下落となり、全市場の値下がり率トップとなった。
買われた方では、決算が好感された日本ハムやコナミGが大幅上昇。日本製鉄、アステラス製薬、MonotaROなどが決算を受けてプラスで終えた。
日経平均は連日の大幅安。きのうの975円安で流れは悪くなっており、円高への警戒がくすぶる中、米雇用統計前に押し目買いは入れづらい環境ではあった。とはいえ、2000円超下げるというのは驚きだ。寄り前から1000円近くは下げそうという状況で早くから白旗が上がる中、買い手は不在となり、売りは急がれた。
現状では円高になると日本株が売られるという構図となっており、この悪い流れを断ち切らないと日本株に浮上の芽はない。(1)円高に一服感が出てくる、(2)円高でも買える銘柄が人気化する―このどちらかが必要となる。
円高が一服するかどうかは米国に頼る部分が大きくなる。本日の米7月雇用統計が雇用の強さを示す内容となるならば、ドルが買われて円高にブレーキがかかる展開が期待できる。ただ、当然弱い内容となれば、さらなる円高を招くリスクもある。
円高メリット銘柄としてはニトリHD<9843.T>や神戸物産<3038.T>などが思い浮かぶが、こういった銘柄以外にも裾野が広がってほしい局面。日本株の動きが良かった今年の7月上旬までは、為替が時折円高に振れたとしても、内需株が健闘して日本株の上昇を支えていた。決算発表が多い時期でもあるだけに、業績を確認しながら円高の恩恵がある(もしくはデメリットが小さい)銘柄が再評価される展開に期待したい。
【来週の見通し】
上値の重い展開か。今週、日銀金融政策決定会合とFOMCを消化して、日米の金融政策のスタンスの違いが鮮明になった。ドル円が大きく円高に振れ、それに対して日本株が神経質に反応してしまったことから、為替に対する警戒がくすぶり続けると思われる。引き続き決算発表が多く、ソフトバンクG(7日予定)や東京エレクトロン(8日予定)などの決算が中でも注目を集める。個別では業績を吟味して再評価される銘柄も多く出てくるだろう。ただ、東京市場は次の週の月曜12日が休場。マーケットが不安定になっている時は、市場の空白は警戒される。指数に関しては、まだ弱材料に敏感な地合いが続くと予想する。
これらを受けて寄り付きから600円を超える下落。ほぼ全面安となり、早い時間に下げ幅を4桁に広げた。37000円を割り込んでも売りは止まらず、10時近辺では下げ幅を2000円超に広げた。36100円台でいったん売り圧力が和らぎ、やや戻してしばらくは安値圏でのもみ合いが続いた。ただ、後場に入っても低空飛行が続く中、終盤にかけては再び下げ幅を2000円超に拡大。36000円の節目も割り込むと、引け間際には35800円台に突入する場面もあり、安値圏で終了した。新興グロース株も強烈に売り込まれ、グロース250指数は7.5%安。グロース250先物にはサーキットブレーカーが発動した。
東証プライムの売買代金は概算で6兆6400億円。業種別では全業種が下落。証券・商品先物が12.1%安、銀行が11.0%安、保険が9.6%安と、金融株が大きく崩れた。相対的に値を保った電気・ガス、医薬品、鉄鋼でも2%台の下落と、厳しい下げとなった。1Q決算が好感されたJVCケンウッド<6632.T>が買いを一手に集めてストップ高。反面、1Q決算が市場の期待に届かなかった三井物産<8031.T>が10.6%安と急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり14/値下がり1626。前日に日銀のさらなる利上げへの期待から買いを集めた銀行株が一転売られており、三菱UFJ、三井住友、みずほFGのメガバンク3行がそろって2桁の下落率。東京エレクトロン、レーザーテック、SCREENが2桁の下落率と半導体株も厳しい下げとなった。今年強く買われる場面があった三菱重工や日立などが急落。失望決算と株安を受けて大和証券Gが2割近い下落となり、全市場の値下がり率トップとなった。
買われた方では、決算が好感された日本ハムやコナミGが大幅上昇。日本製鉄、アステラス製薬、MonotaROなどが決算を受けてプラスで終えた。
日経平均は連日の大幅安。きのうの975円安で流れは悪くなっており、円高への警戒がくすぶる中、米雇用統計前に押し目買いは入れづらい環境ではあった。とはいえ、2000円超下げるというのは驚きだ。寄り前から1000円近くは下げそうという状況で早くから白旗が上がる中、買い手は不在となり、売りは急がれた。
現状では円高になると日本株が売られるという構図となっており、この悪い流れを断ち切らないと日本株に浮上の芽はない。(1)円高に一服感が出てくる、(2)円高でも買える銘柄が人気化する―このどちらかが必要となる。
円高が一服するかどうかは米国に頼る部分が大きくなる。本日の米7月雇用統計が雇用の強さを示す内容となるならば、ドルが買われて円高にブレーキがかかる展開が期待できる。ただ、当然弱い内容となれば、さらなる円高を招くリスクもある。
円高メリット銘柄としてはニトリHD<9843.T>や神戸物産<3038.T>などが思い浮かぶが、こういった銘柄以外にも裾野が広がってほしい局面。日本株の動きが良かった今年の7月上旬までは、為替が時折円高に振れたとしても、内需株が健闘して日本株の上昇を支えていた。決算発表が多い時期でもあるだけに、業績を確認しながら円高の恩恵がある(もしくはデメリットが小さい)銘柄が再評価される展開に期待したい。
【来週の見通し】
上値の重い展開か。今週、日銀金融政策決定会合とFOMCを消化して、日米の金融政策のスタンスの違いが鮮明になった。ドル円が大きく円高に振れ、それに対して日本株が神経質に反応してしまったことから、為替に対する警戒がくすぶり続けると思われる。引き続き決算発表が多く、ソフトバンクG(7日予定)や東京エレクトロン(8日予定)などの決算が中でも注目を集める。個別では業績を吟味して再評価される銘柄も多く出てくるだろう。ただ、東京市場は次の週の月曜12日が休場。マーケットが不安定になっている時は、市場の空白は警戒される。指数に関しては、まだ弱材料に敏感な地合いが続くと予想する。