NY為替見通し=恐怖指数上昇で、ブラックマンデーの可能性に要警戒か

 本日のNY為替市場のドル円は、先週末のニューヨーク株式市場での恐怖指数の上昇、ナスダック総合が調整相場入りしたこと、さらに、中東の地政学リスクへの警戒感が高まっていることなどで、ブラックマンデーの可能性に警戒しておきたい。

 本日の日経平均株価は、4451円(▲12.4%)下げて、ブラックマンデーの時の下落幅を上回っており、NYダウへの警戒感が高まっている。

 ドル円は、7月の米雇用統計のネガティブサプライズを受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の利下げ開始確率が高まっていることなどで、141円台まで下落している。

 ドル円のテクニカル分析では、2023年1月16日の安値127.23円からの中期支持線(※本日は148.49円)を割り込んでいることで、140円を割り込む可能性が高まっている。

 また、6月調査の日銀短観での2024年度上半期の想定為替レートが145円付近であることで、145円割れでは、本邦輸出企業からのドル売り圧力が強まり、輸出企業の企業業績への警戒感から日本株の売り圧力が強まる可能性に警戒しておきたい。

 本日は、ニューヨーク株式市場の動向に注視しながら、7月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数を見極め、米7月雇用統計に対するグールズビー米シカゴ連銀総裁やデイリー米サンフランシスコ連銀総裁の見解に注目する展開が予想される。

 7月米ISM非製造業指数は51.0と予想されており、6月の48.8からの改善が見込まれている。7月米ISM製造業指数は、46.8と発表されており、国内総生産(GDP)に換算した場合、年率▲1.2%となるとのことで、ISM非製造業指数ではネガティブサプライズに警戒しておきたい。

 7月の米雇用統計のネガティブサプライズを受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の利下げ開始確率が70%台まで上昇している。

 グールズビー米シカゴ連銀総裁は、7月雇用統計に対して、「米金融当局が1つの統計に過剰反応することはない」と強調し、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までに多くのデータが得られると付け加えた。
 本日CNBCに出演予定のグールズビー米シカゴ連銀総裁からは、同様の見解が予想されるが、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁の見解にも注目しておきたい。
 ウォール街からは、緊急FOMCを開催して緊急利下げ(0.25%~0.50%)を決定する可能性が警戒されている模様。

 米連邦準備理事会(FRB)の元エコノミストであるクローディア・サーム博士が提唱した「サーム・ルール」が0.5%以上だった場合、1年以内にリセッション入りするとの説は過去50年間、7回のリセッションで有効だった。7月は0.53%へ上昇しており、景気後退入りの「炭鉱のカナリア」が鳴き止んでいる。
 パウエルFRB議長は「歴史は繰り返さない、韻を踏む… 統計的な規則性というのは、経済的なルールではない」と一蹴しているが、グールズビー米シカゴ連銀総裁やデイリー米サンフランシスコ連銀総裁の言及に注目したい。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、146.66円(8/5高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、140.25円(2023/12/28安値)


(山下)
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