NY為替見通し=流動性再び悪化で激しく上下か、M&A絡みの続報などにも要注目

 7月31日の日銀政策決定会合後に行われた植田日銀総裁の会見と、8月7日の内田日銀副総裁の発言がきっかけでドル円の流動性は崩れたが、先週はようやく147円から上下1円で落ち着きを見せつつあった。しかし、15日に149円台前半に乗せ、本日は145円前半まで下げるなど、再び方向感がなく振幅する相場に逆戻りになっている。ここまでで1日を通して3円近く動く大相場となっていることで、引き続きこの後も数分程度で50銭や1円単位で大きく値幅が動くリスクは高そうだ。

 本日のNY時間は、米国からは7月景気先行指標総合指数以外には、主だった経済指標の発表はない。通常は同指標での反応は限られているが、本日は上述のように市場が動きやすいことで、指標結果が予想と大きく乖離した場合には警戒しておきたい。予想では前月の-0.2%より小幅に低下し、-0.3%予想となっている。

 本日の円買いは様々な要因が重なっているが、米国の非農業部門雇用者数変化の改定が大幅に下方修正されるのではとの憶測が一因。もっとも、これは21日に発表されるまでは全くわからないことで、同日の発表待ちの状態。一方、カナダのコンビニエンスストア大手、アリマンタシォン・クシュタールのセブン&アイ・ホールディングスの買収話は、「社外取締役で構成する独立委員会を立ち上げており、評価額など提案内容の精査を始めた」とまで報じられていることで、噂の領域で片づけられることではなさそうだ。早急に結論が出ることもないだろうが、今後の続報次第でカナダドルと円相場が動意づくリスクもある。


・想定レンジ上限
 ドル円は、本日のこれまでのレンジの半値戻し146.62円、その上は本日の下げ幅を拡大する起点となった水準の147.30円近辺。

・想定レンジ下限
 ドル円は、これまでの本日安値145.19円。145円を割り込むと7日安値144.29円。


(松井)
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