NYマーケットダイジェスト・23日 FRB議長発言で株高・金利低下・ドル安

(23日終値)
ドル・円相場:1ドル=144.37円(前営業日比▲1.92円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.58円(▲0.98円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1192ドル(△0.0080ドル)
ダウ工業株30種平均:41175.08ドル(△462.30ドル)
ナスダック総合株価指数:17877.79(△258.44)
10年物米国債利回り:3.80%(▲0.05%)
WTI原油先物10月限:1バレル=74.83ドル(△1.82ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2546.3ドル(△29.6ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
7月米新築住宅販売件数
(前月比)   10.6%     0.3%・改
(件数)   73.9万件    66.8万件・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは反発。米重要イベントを前にしばらくは1.11ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると強含んだ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はジャクソンホール会議での講演で「政策を調整する時が来た」「インフレ率が2%への軌道にあるとの確信強めた」と述べたほか、「労働市場がこれ以上減速することを歓迎しない」などと発言。市場では「9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始をほぼ明言した」と受け止められ、ドルを売る動きが広がった。3時過ぎには一時1.1201ドルと昨年7月20日以来約1年1カ月ぶりの高値を付けた。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.60と昨年7月27日以来の低水準を更新した。

・ドル円は大幅反落。米重要イベントを前にポジション調整目的の買いが先行すると一時146.48円と日通し高値を付けたものの、前日の高値146.53円がレジスタンスとして働くと失速した。パウエルFRB議長の発言を受けてFRBによる9月利下げ転換が改めて意識されると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが活発化。前日の安値144.85円や21日の安値144.46円を下抜けて一時144.05円まで値を下げた。米長期金利の指標となる米10年債利回りは3.78%台まで低下した。
 なお、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「利下げを開始する準備が整いつつある」と述べたほか、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁も「金利を引き下げ始める必要がある」との考えを示した。

・ユーロ円は3日ぶりに反落。23時前に一時162.71円と日通し高値を付けたものの、前日の高値162.91円が目先レジスタンスとして意識されると失速。4時30分過ぎには161.21円と日通し安値を更新した。ドル円につれた動きとなった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。パウエルFRB議長が9月利下げ開始をほぼ明言したことで、リスク資産の株を買う動きが広がった。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れたことも相場の支援材料。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などが買われた。

・米国債券相場で長期ゾーンは反発。パウエルFRB議長の発言を受けて米利下げ観測が高まると買いが優勢となった。市場ではパウエル氏の発言について「明確で直接的なハト派的な内容だった」との声が聞かれた。

・原油先物相場は続伸。パウエルFRB議長はジャクソンホール会議での講演で「政策を調整する時が来た」「インフレ率が2%への軌道にあるとの確信強めた」などと発言し、9月利下げを意識したドル売りが進み、ドル建ての原油は割安感から買いが優勢となった。また、パレスチナ自治区ガザの停戦交渉は大きな進展は見られなかった。

・金先物相場は3日ぶり反発。パウエルFRB議長はジャクソンホール会議での講演で「政策を調整する時が来た」と述べ、米9月利下げが確実視されるなかドルが急落し、米長期金利が低下したことが金買いを後押した。

(中村)
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