ロンドン為替見通し=ユーロは対ポンドなどのクロスが上値抑えるか

 本日の欧州市場では、引き続き米金利動向に左右される展開になるだろうが、本日から30日にかけては月末の特殊玉などもでやすいことで、ニュース等がなくても相場が急変することには留意したい。

 ユーロは米連邦公開市場委員会(FOMC)後からのドル売りの影響で、対ドルでは底堅さを維持している。しかし、その反面で対ポンドや対スイスフランでは上値が重くなっている。ユーロドルの上値トライが緩やかなのは、このユーロクロスの売りが重し。本日も、ユーロ圏からは8月仏消費者信頼感指数以外は主だった経済指標の発表が予定されていないことで、ユーロクロスの値動きがユーロドルに影響を大きく与えそうだ。

 ポンドは、堅調地合いを維持している。先週発表された8月の購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上振れた。一方でドイツを中心にユーロ圏のPMIは弱く、ユーロ圏と英国の経済の先行き見通しにも変化が生じている。また、先週ジャクソンホール会合でベイリー英中銀(BOE)総裁が「インフレに対する勝利宣言をするのは時期尚早」と発言し、ユーロ圏や米国よりも利下げに対しては慎重な姿勢を示していることがポンドを支えている。昨日はポンドドルが2022年3月以来の1.3266ドルまで、ユーロポンドは0.8432ポンドまでポンド買いが進行した。また、昨日はスターマー英首相が官邸で「10月には予算が発表されるが、それは痛みを伴うものになるだろう」と発言し、大幅増税を示唆したが、市場はポンド売りに反応していなかったことはポンドの地合いの強さを表している。なお、本日は英国からは主だった経済指標の発表が予定されていないが、マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員の講演が予定されている。前回のMPCでも据え置きに投票するなどタカ派寄りの委員なことで、ある程度のタカ派発言が出ることは意識して市場の動きを見ておきたい。

 
想定レンジ上限
・ユーロドル:26日高値1.1202ドルをクリアに抜けた場合は昨年7月18日高値1.1276ドル。
・ポンドドル:2022年3月以来超えていない節目1.3300ドル。
・ユーロポンド:日足一目均衡表・転換線0.8488ポンド。

想定レンジ下限
・ユーロドル:26・27日安値1.1150ドル。その下は日足一目均衡表・転換線1.1087ドル。
・ポンドドル:26・27日に割り込むことが出来なかった1.3179ドル。
・ユーロポンド:7月17日に付けた年初来安値0.8383ポンド。

(松井)
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