ニューヨーク外国為替市場概況・29日 ドル円、続伸

 29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は144.99円と前営業日NY終値(144.59円)と比べて40銭程度のドル高水準だった。4-6月期米国内総生産(GDP)改定値が前期比年率3.0%増と予想の2.8%増を上回り、速報値から上方修正されたことが分かると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行。その後発表の7月米住宅販売保留指数が予想を下回るといったんは伸び悩んだものの、下押しは限定的となり、23時30分過ぎには一時145.55円と日通し高値を更新した。
 ただ、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングを通過すると徐々に上値が重くなった。市場では「一目均衡表転換線が位置する145.75円が重要なレジスタンスとして意識される」との声が聞かれたほか、ナスダック総合や日経平均先物が下げに転じるとクロス円とともに円高方向に傾いた。4時前には144.73円付近まで下押しした。

 ユーロドルは続落。終値は1.1077ドルと前営業日NY終値(1.1120ドル)と比べて0.0043ドル程度のユーロ安水準だった。8月独消費者物価指数(CPI)速報値が前月比0.1%低下と予想の0.1%上昇に反して低下したことが分かるとユーロ売りが先行。4-6月期米GDP改定値が予想を上回るとドル買いが活発化し、23時30分過ぎに一時1.1056ドルと日通し安値を更新した。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するバーキン米リッチモンド連銀総裁は「インフレは低下したものの、まだ道半ば」と述べたほか、ナーゲル独連銀総裁は「2%のインフレ目標は視野に入っているが、まだ達成はできていない」などと語った。

 ユーロ円は5日続落。終値は160.62円と前営業日NY終値(160.78円)と比べて16銭程度のユーロ安水準。独インフレ指標の下振れを受けてユーロ売りが先行すると一時160.03円と日通し安値を付けたものの、欧州株相場や日経平均先物の上昇に伴う円売り・ユーロ買いが出ると22時過ぎに161.26円付近まで持ち直した。
 ただ、アジア時間に付けた日通し高値161.27円が目先レジスタンスとして意識されると再び上値が重くなった。ユーロドルの下落や日経平均先物の失速につれた売りが出ると160.32円付近まで押し戻された。

本日の参考レンジ
ドル円:144.22円 - 145.55円
ユーロドル:1.1056ドル - 1.1140ドル
ユーロ円:160.03円 - 161.27円

(中村)
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