ニューヨーク外国為替市場概況・12日 ユーロドル、5日ぶり反発

 12日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは5営業日ぶりに反発。終値は1.1074ドルと前営業日NY終値(1.1012ドル)と比べて0.0062ドル程度のユーロ高水準だった。欧州中央銀行(ECB)はこの日、市場予想通り政策金利を4.25%から3.65%に引き下げることを決めたと発表。声明では「決定は会合ごとに実施し特定の道筋に事前にコミットしない」とのガイダンスを維持した。また、ラガルドECB総裁も理事会後の会見で「われわれは特定の金利経路を事前に約束しているわけではない」と強調したほか、「9月はエネルギーの動向により低いインフレ率を示す可能性が高いものの、第4四半期には再び上昇する」との見方を示した。
 「今回の利下げとラガルド総裁の発言は想定の範囲内」との受け止めが多い中、10月の追加利下げ観測が後退すると、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。前日の高値1.1055ドルを上抜けて、5時30分前には一時1.1075ドルまで値を上げた。市場では「次の利下げは10月ではなく、12月になりそうだ」との声が聞かれた。

 ドル円は3日続落。終値は141.82円と前営業日NY終値(142.36円)と比べて54銭程度のドル安水準だった。米労働省が発表した8月米卸売物価指数(PPI)が総合・コアともに前年比で予想を下回ると米10年債利回りの低下とともに円買い・ドル売りが先行。ナイト・セッションの日経平均先物が480円下落したことも相場の重しとなり、22時過ぎに一時141.91円まで値を下げた。
 その後、米10年債利回りが3.70%台まで一転上昇するとドル円も142.66円付近まで下げ渋ったものの、戻りは鈍かった。対ユーロ中心に全般ドル安が進んだ流れに沿って、5時30分前に141.73円と日通し安値を更新した。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.23まで低下した。

 ユーロ円は3日ぶりに反発。終値は157.07円と前営業日NY終値(156.78円)と比べて29銭程度のユーロ高水準。22時過ぎに一時156.54円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ECBは利下げを急いでいないとの見方からユーロ買いが入ると157.50円付近まで持ち直した。ただ、日本時間夕刻に付けた日通し高値157.51円を上抜けることは出来なかった。

本日の参考レンジ
ドル円:141.73円 - 143.04円
ユーロドル:1.1006ドル - 1.1075ドル
ユーロ円:156.54円 - 157.51円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。