NYマーケットダイジェスト・12日 株高・金利上昇・ドル安

(12日終値)
ドル・円相場:1ドル=141.82円(前営業日比▲0.54円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.07円(△0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1074ドル(△0.0062ドル)
ダウ工業株30種平均:41096.77ドル(△235.06ドル)
ナスダック総合株価指数:17569.68(△174.15)
10年物米国債利回り:3.67%(△0.02%)
WTI原油先物10月限:1バレル=68.97ドル(△1.66ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2580.6ドル(△38.2ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
8月米卸売物価指数(PPI)
(前月比)    0.2%     0.0%・改
(前年比)    1.7%     2.1%・改
食品とエネルギーを除くコア指数
(前月比)    0.3%    ▲0.2%・改
(前年比)    2.4%      2.3%
前週分の米新規失業保険申請件数
        23.0万件   22.8万件・改
8月米財政収支
      3801億ドルの赤字 2437億ドルの赤字

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは5日ぶりに反発。欧州中央銀行(ECB)はこの日、市場予想通り政策金利を4.25%から3.65%に引き下げることを決めたと発表。声明では「決定は会合ごとに実施し特定の道筋に事前にコミットしない」とのガイダンスを維持した。また、ラガルドECB総裁も理事会後の会見で「われわれは特定の金利経路を事前に約束しているわけではない」と強調したほか、「9月はエネルギーの動向により低いインフレ率を示す可能性が高いものの、第4四半期には再び上昇する」との見方を示した。
 「今回の利下げとラガルド総裁の発言は想定の範囲内」との受け止めが多い中、10月の追加利下げ観測が後退すると、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。前日の高値1.1055ドルを上抜けて、5時30分前には一時1.1075ドルまで値を上げた。市場では「次の利下げは10月ではなく、12月になりそうだ」との声が聞かれた。

・ドル円は3日続落。米労働省が発表した8月米卸売物価指数(PPI)が総合・コアともに前年比で予想を下回ると米10年債利回りの低下とともに円買い・ドル売りが先行。ナイト・セッションの日経平均先物が480円下落したことも相場の重しとなり、22時過ぎに一時141.91円まで値を下げた。
 その後、米10年債利回りが3.70%台まで一転上昇するとドル円も142.66円付近まで下げ渋ったものの、戻りは鈍かった。対ユーロ中心に全般ドル安が進んだ流れに沿って、5時30分前に141.73円と日通し安値を更新した。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.23まで低下した。

・ユーロ円は3日ぶりに反発。22時過ぎに一時156.54円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ECBは利下げを急いでいないとの見方からユーロ買いが入ると157.50円付近まで持ち直した。ただ、日本時間夕刻に付けた日通し高値157.51円を上抜けることは出来なかった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。「米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが緩やかにとどまり、政策が後手に回る」との懸念がくすぶる中、一時200ドル近く下落したものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。前日と同様に、直近下落が目立っていたハイテク株に押し目買いが入った。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸した。

・米国債券相場で長期ゾーンは続落。8月米PPIの結果を受けて買いが先行したものの、そのあとは徐々に弱含んだ。ECBは利下げを急いでいないとの見方から欧州債相場が下落し、米国債にも売りが波及した。

・原油先物相場は続伸。ハリケーンによるメキシコ湾周辺地域の米石油掘削や生産施設の作業停滞を懸念した買いが入った。しかしエネルギー消費大国・中国の景気鈍化が需要後退につながるとの見方もあり上昇を限定した。

・金先物相場は大幅に反発。ハト派色の後退したECB理事会を受けたユーロ高・ドル安など、主要通貨に対するドル弱含みがドル建て金相場の換算値を押し上げ。目先の上値の重しだった8月20日高値2570.4ドルを上抜けて買いが勢いづいた。2583.60ドルまで高値を更新している。

(中村)
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